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買った後の経営|満室を保つために何をするか

【STEP4】育てる

物件を買った後、こんな不安を抱えていませんか。

  • 管理会社に任せているが、本当にちゃんとやってくれているのか分からない
  • 空室が出たとき、家賃を下げる以外に何をすればいいのか知らない
  • 突然の設備故障やトラブルの連絡が来たとき、何から手をつければいいのか不安

ところが、買った後の運営を管理会社に丸投げしたまま、トラブルが起きるたびに慌てて対応する大家は少なくありません。

私は購入からわずか1か月で、5室が同時に退去した経験があります。血の気が引きました。

目の前が真っ暗になりましたが、順番どおりに手を打って乗り切っています。

特別な才能があったわけではありません。やることの順番を知っていたかどうか、その差だけでした。

地方に住みながら会社員を続けて13年、いまは3棟38室をすべて遠隔で運営しています。手元に残る税引前キャッシュフローは月30万円で、これを5年間継続できています。

この記事では、買った後の満室を保つために何をすればいいかを解説します。

現場に張り付いていなくても、順番さえ守れば運営はできるものです。

読み終える頃には、空室やトラブルが起きたときに、何から手をつければいいかが分かります。

結論を言うと、買った後の利益は運営で決まります。
良い物件を選べても、運営が伴わなければ満室は維持できません。

このSTEPの全記事はこちら:【STEP4 育てる】の記事一覧(全29本)

結論:買った後の利益は、運営で決まります

満室を保つ3つの仕組み(管理会社・空室対策・先回りの備え)の図解

運営でやることは、大きく分けて3つです。

  • 管理会社:客付け力と対応速度で選ぶ
  • 空室対策:値下げの前に、順番を守って手を打つ
  • 先回りの備え:修繕積立と、トラブルの初動ルールを決めておく

この3つを押さえておけば、遠くに住んでいても物件は回ります。

最初から全部を完璧にこなす必要はありません。いま困っているところから一つ手をつければ、残りは後からついてきます。

管理会社をどう選ぶか

管理会社選びは、物件選びと同じくらい大事です。いい物件を選んでも、管理会社が悪ければ空室は埋まりません。

  • 客付け力:同じ立地の空室を、どれだけ早く埋められているか
  • 報告のこまめさ:空室状況や入居者トラブルを、どれだけ早く連絡してくれるか
  • 提案力:家賃を下げる前に、他の打ち手を提案してくれるか
  • 対応速度:設備トラブルの電話が鳴ってから、実際に動くまでの早さ

手数料の安さだけで選ばないでください。手数料が安くても、空室が長引けば、差額はすぐに逆転します。

面談では、答えの速さと具体性を見てください。数値でスパッと答える会社は、日頃から数値で管理している証拠です。

今の管理会社に不満があるなら、乗り換えも選択肢に入ります。契約期間や解約条件を確認したうえで、比較検討してください。

👉 管理会社の選び方と乗り換え判断をもっと詳しく見る

空室が出たときの打ち手の順番

家賃を下げる前にやる3ステップ(募集条件・AD/フリーレント・最後に家賃)の図解

空室が出ると、真っ先に家賃を下げたくなります。ですが、家賃を下げる前にやることがあります。順番は、図の3つのSTEPです。

STEP1 募集条件を見直す

最初に見直すのは、入居の条件です。ペット可・楽器可など、これまで断っていた条件を緩められないかを考えます。家賃には手をつけずに、部屋を探している人の数そのものを増やす打ち手です。

条件を広げるほど、入居後のルールづくりが大切になります。たとえばペット可にするなら、退去時にどこまで直してもらうかと敷金を、募集の前に決めておきます。

STEP2 AD・フリーレント

条件を緩めても決まらなければ、次は仲介会社と入居者の背中を押します。AD(広告料)は、入居を決めてくれた仲介会社に払う報酬です。上乗せすると、仲介の担当者が物件を優先して紹介してくれるようになります。

フリーレントは、最初の1か月などの家賃を無料にする仕組みです。入居者の初期費用は軽くなり、毎月の家賃そのものは下げずに済みます。どちらも一度きりの出費なので、家賃を下げ続けるより負担は小さく収まります。

STEP3 最後に家賃を検討

ここまで手を打っても決まらないときに、はじめて家賃の見直しを検討します。

下げるときは、周辺で同じ広さ・同じ築年数の部屋がいくらで募集されているかを管理会社に出してもらい、どこまで下げれば決まるのかを一緒に見極めます。

ここに注意

下げた家賃は、一生戻ってきません。目先の空室が怖くて安易に下げると、その後ずっと収益が下がったままになります。

順番を守れば、家賃を下げずに決まることも珍しくありません。

空室が続くと、毎月の入金が減っていくのが目に見えて、気持ちが焦るものです。そういうときこそSTEP1から順に、反響を見ながら一つずつ試してください。

👉 空室対策と入居率改善の具体策をもっと詳しく見る

客付け仲介会社に、物件を覚えてもらう

空室が出てから動くのではなく、日頃から客付け仲介会社との接点を持っておくと、空室の期間そのものを短くできます。大げさなことではなく、年に数回あいさつに顔を出すだけでも、覚えてもらえる度合いは変わります。

  • 内見に来てくれた仲介の担当者には、物件の良さを一言で伝えられるようにしておく
  • 設備を新しくしたときは、管理会社を通じて近くの仲介会社にも伝えてもらう
  • 人が動きやすい時期(1〜3月)の前に、募集条件を仲介会社と一度すり合わせておく
補足

管理会社と客付け仲介会社は、別の会社であることがよくあります。
管理会社まかせにせず、自分の物件を覚えてもらう働きかけを、たまにでも続けておくと、紹介の優先順位が変わってきます。

修繕はいつ、いくらかかるのか

設備は、忘れた頃に、しかも一番困るタイミングで壊れます。部位ごとの寿命をおおまかに知っておくだけで、慌てる回数が減ります。

部位寿命の目安概算費用
給湯器10〜15年15〜25万円
エアコン10〜15年8〜15万円
屋根・外壁15〜20年100〜300万円
室内クロス・床入居ごと5〜15万円

修繕は、単発ではなく、いくつもまとめて来ると考えてください。築10〜20年のあいだに、複数の設備が同時期に寿命を迎えます。

毎月の家賃収入から一定額を積み立てておけば、まとまった出費が来ても慌てません。積立は地味な作業ですが、これを怠った月にかぎって設備は壊れるものです。

通帳の残高を毎月ながめるだけでも、積立の習慣は続きやすくなります。正直、それくらいで十分です。

👉 修繕費と積立の目安をもっと詳しく見る

入居者のトラブルにどう備えるか

滞納・騒音・事故、どれも大家をいちばん消耗させるトラブルです。それぞれ、初動のルールを決めておくだけで慌てずに済みます。

  • 滞納:滞納から数日で連絡、1か月で書面通知、それでも続くなら保証会社や専門家に相談する
  • 騒音:まず事実確認をしてから、双方の声を聞いたうえで連絡する。感情的な仲裁には入らない
  • 事故(孤独死等):特殊清掃と告知義務の対応を、管理会社の窓口と先に取り決めておく

共通して大事なのは、初動の早さです。連絡から動き出しまでが早いほど、トラブルは小さいうちに収まります。

連絡が来た瞬間は気が重いものです。それでも最初の一本の連絡さえ入れてしまえば、あとは手順に沿って進めるだけです。

👉 家賃滞納の強制退去手順をもっと詳しく見る

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👉 夜逃げ入居者の残置物処分をもっと詳しく見る

遠くの物件でも経営できるのか

遠隔経営の役割分担(管理会社は現場、大家は判断)の図解

私は地方に住みながら、仙台や甲府など遠方の物件を運営しています。結論から言うと、遠隔での運営は十分に成立します。

13年38室の実録

甲府の物件は、購入した1か月後に5室が同時に退去しました。それでも慌てず、順番どおりに手を打ったのが結果的に正解でした。

管理会社に状況を正確に報告してもらい、まず募集条件を見直しました。すぐには決まらなかったので、家賃を大きく下げる代わりに、条件の調整を重ねました。

5室すべてが埋まったのは、数か月後のことです。現地に住んでいなくても、管理会社とこまめに連絡を取り合えば物件は回る。そう実感した出来事でした。

遠隔で成立させるコツは、役割分担にあります。現場確認と入居者対応は管理会社に任せ、大家は数値の確認と方針の判断を受け持ちます。毎回すべてを自分で判断しようとすると、対応が遅れてしまうからです。

現場は任せて、判断に集中してください。

ここ数か月、管理会社と話していないなら、空室の状況を聞く電話を一本入れるところから始めてみてください。メールより電話のほうが、担当者がどこまで状況をつかんでいるかがよく分かります。

👉 遠隔管理のコツをもっと詳しく見る

STEP4の記事マップ|悩み別に選んで読む

① 満室を保つ

空室が出ると、最初に手が伸びるのは家賃の値下げです。ただ、一度下げた家賃は次の入居者にも引き継がれます。下げる前にできることが、いくつも残っています。

広告費(AD)の出し方、設備の入れ替え、入居条件の緩め方。築古でも、新築と家賃で競わずに済む方法があります。

② 管理会社と付き合う

遠隔で運営するなら、管理会社の質がそのまま利益に響きます。見るのは手数料の安さではなく、報告の速さと提案の中身です。

合わないと感じたら、変更できます。ただし引き継ぎを誤ると入居者との関係まで崩れるため、手順どおりに進めてください。

③ トラブルに対応する

滞納、夜逃げ、騒音、ゴミ屋敷、孤独死。どれも、13年のうちに一度は来る問題です。起きてから調べ始めると、初動が遅れて損失が膨らみます。

先に手順を知っておけば、連絡が来た時点で動けます。初動が早いほど、損失は小さいのが通例です。

④ 修繕の費用を読む

修繕は単発ではなく、まとまって来ます。給湯器とエアコンは10〜15年、外壁と屋根は15〜20年が目安です。築年数から逆算すれば、いつ何が来るかは先に読めます。

火災保険で賄える修繕もあります。私は台風と地震で、3回通しました。ただし申請サポート業者には注意が必要です。

⑤ 家賃と契約を動かす

家賃の値上げは、入居者に拒否されることもあります。サブリースを外したいときも、手順を踏まないと費用がかさみます。契約に関わることは、動かす前の条件確認が欠かせません。

【STEP4 育てる】に属する記事は、一覧ページですべて見られます。

次に読む記事

運営の型が分かったら、次は守りの話です。金利・空室・修繕・税金、これらが同時に来ても潰れないための備えを確認していきます。

👉 STEP5 どう守るか|金利・空室・修繕・税が重なっても潰れないを読む

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この記事を書いた人
タキ所長

タキ所長|サラリーマン大家(大家歴13年)

  • 2013年、36歳のときに区分ワンルーム(200万円)から開始。いまは3棟38室を運営中。
  • 手元に残る税引前キャッシュフローは月30万円を直近5年間継続中。
  • 家賃滞納の踏み倒し、入居者の孤独死、受水槽の全交換、買った翌月の一斉退去。さまざまなトラブルを経験。
  • 実際に経験した手痛い失敗と、未然に防ぐことができたトラブルについて書いています。
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