「共用廊下のゴミが何週間も放置されているのに、管理会社から何の連絡もない」
「空室が3ヶ月を超えているのに、客付けの報告も、改善提案も一切ない」
「クレームの電話をしても、担当者への折り返しが来るのは2〜3日後。その頃には入居者の怒りは倍増している」
そんな管理会社への不満を抱えながら、それでも「変更するのが怖い」「手続きが面倒そうで踏み出せない」と感じているオーナーは少なくありません。
「変えたい気持ちはあるけど、どこから手をつければいいのかわからない」——この記事は、そのモヤモヤを一気に晴らすために書きました。
結論から言います。管理会社の変更は、正しい手順で進めれば、思っているよりずっとシンプルです。そして、決断を先延ばしにしている間も、あなたの物件は静かに傷んでいます。空室は埋まらず、入居者の不満は積もり、建物の価値は下がっていく。管理会社の怠慢は、オーナーの収益を直接蝕む「経営リスク」そのものです。
この記事では、管理会社を変えるべき本当の判断基準から、解約通知の方法、引き継ぎ時のトラブル回避策、そして次に選ぶ管理会社の見極め方まで、実務的なロードマップとして一気に解説します。13年間・38部屋の賃貸経営を通じて学んだ「事業としての視点」で、感情ではなくロジックで管理会社の交代劇を進めてください。
その管理会社、本当にダメなのか?「変えるべき限界ライン」の見極め方

管理会社への不満は、誰でも一度や二度は感じるものです。担当者が電話に出ない、報告が遅いといった「ちょっとした不満」のレベルで即座に変更を決断するのは早計です。変更には手間とコストがかかりますし、引き継ぎの混乱が入居者に迷惑をかけるリスクもあります。
大切なのは、「不満」と「変えるべき限界ライン」を冷静に切り分けることです。
よくある不満と「本当に変えるべき状態」の違い
オーナーが管理会社に感じやすい「よくある不満」には、次のようなものがあります。
- 担当者の電話の折り返しが遅い
- 月次報告書の内容がやや薄い
- 修繕の見積もりが高めに感じる
- 担当者の愛想があまり良くない
これらは確かに改善してほしい点ですが、いずれも「担当者変更の依頼」や「不満の直接伝達」で解消できる可能性があります。管理会社を丸ごと変えるという大きなコストを払う前に、まずは担当者レベルで改善を求めてみることが先決です。
一方、以下のような状態になっているなら話は別です。これらは担当者交代ではなく、管理会社そのものの体質的な問題であり、根本的な解決は望めません。
管理会社を即刻変えるべき「3つのレッドカード」
【レッドカード①】空室が3ヶ月以上続いているのに、改善提案が一切ない
空室2〜3ヶ月を超えても何の提案もしてこない管理会社は、客付け力がないか、あなたの物件をすでに「捨て案件」扱いにしている可能性があります。
優秀な管理会社であれば、空室が1〜2ヶ月続いた時点で「家賃の見直しを検討してはいかがでしょうか」「AD(広告料)を上乗せして仲介会社に紹介を強化してもらいましょう」「ポータルサイトの写真を刷新します」といった具体的な改善提案を持ってきます。空室が2〜3ヶ月続く場合は、管理会社や仲介業者の客付け力に問題がある可能性が高いと言われています。提案がないのは、能力がないか、やる気がないかのどちらかです。
【レッドカード②】ホウ・レン・ソウが完全に機能していない
トラブルやクレームが生じていても連絡や相談がない、相談なく修繕工事を実施するなど、報告・連絡・相談をしっかり行わない賃貸管理会社は、後々トラブルが生じる可能性が高いと言えます。大家として把握しておくべき入居者トラブルや設備故障の報告が来ない、あるいは来てもずっと後になってから——という状態は、すでに委託関係としての信頼が破綻しています。
「知らないうちに修繕工事が完了していた」「退去の話を直接入居者から聞いた」——これは管理ではなく、放置です。
【レッドカード③】共用部の清掃・点検が明らかに機能していない
共用廊下に何週間もゴミが放置されている、エントランスの電球が切れたまま、外壁の剥がれを指摘しても動かない——。こういった物件の見た目の劣化は、既存入居者の満足度を下げるだけでなく、建物の清掃が行き届いていない物件は、入居者はもちろん、入居を検討している方に対してもいい印象を与えません。物件の資産価値そのものを毀損する行為です。
まとめると、「変えるべきライン」はシンプルです。
「空室が埋まらない(収益問題)」「報告が来ない(信頼問題)」「建物が汚れている(資産毀損問題)」——このうちひとつでも慢性的に続いているなら、変更を検討してください。
管理会社変更の前に必ずやること──解約リスクと準備の全チェックリスト

「変えよう」と決断したら、いきなり管理会社に電話をかけてはいけません。感情に任せて動くと、余計なコストや混乱を招きます。まず机の前に座って、次の準備を粛々と進めてください。
管理委託契約書を今すぐ確認すべき3項目
管理会社を変更するためにまず必要なのは、現在の管理委託契約書を引っ張り出して読むことです。確認すべき項目は3つあります。
① 解約予告期間
多くの管理委託契約では「3か月前予告」となっていますが、中には予告期間が「6か月前」と長く設定されている場合や、契約満了日にしか解約できないと定められている場合もあります。「いつでも変えられる」と思い込んでいると、実際には半年後まで身動きが取れない、という事態になりかねません。
② 違約金の有無
私の経験上では、悪質な賃貸管理会社ほど違約金の条項が定められていることが多いです。おそらく解約を抑止するための仕掛けですが、把握しておかなければ想定外の出費になります。なお、最も悪質なケースとして、解約金として賃料3か月分に加え、解約事務手数料として5万円(税別)がかかるという契約も実際に存在します。
③ 保証会社との関係
賃貸管理会社の中には、委託契約を途中解約しにくくさせるため、解約すると保証会社との契約も切れるような条件になっている場合があります。家賃保証が切れると、滞納リスクがノーガードになるため、必ず確認が必要です。新管理会社が保証会社を引き継げるか、あるいは代替提案を持っているかを事前に確認しておきましょう。
「次の管理会社」を先に決めてから解約通知を出す
これは鉄則です。現在の賃貸管理会社に解約を申し入れる前に、次に契約する賃貸管理会社をあらかじめ決めておく方が安心です。
解約通知を出した後、3ヶ月間の引き継ぎ期間が始まります。この期間中に旧管理会社の業務が手を抜き気味になることは少なくありません。解約通知をしてから解約日までの間に管理会社の業務がずさんになることが考えられます。ここでトラブルが発生すると新管理会社との間でもトラブルが発生する可能性があります。
新しい管理会社が決まっていれば、万が一旧管理会社が非協力的な態度を取った際も、新管理会社を相談窓口にしながら対処を進めることができます。
解約通知は「書面」で送り、必ず証拠を残す
解約の申し出は口頭では絶対にしてはいけません。解約申請は、旧管理会社の担当者と口頭でやり取りするだけではリスクがあります。書面やメールなど、エビデンスとして記録をしっかり残すことを意識しましょう。
「レターパック」での郵送が到着確認も取れるためオススメですが、悪質な賃貸管理会社や既に揉めている場合は「内容証明」で送付します。
解約通知書に必ず盛り込む内容は次の3点です。
- 管理委託契約の契約締結日
- 管理委託契約書の第何条に基づく解約か
- いつ契約が解約されるか(解約希望日)
これだけ押さえれば、書式は問いません。シンプルでも法的に有効な通知書として機能します。
管理会社の怠慢を数値で突きつけ、感情でなくデータで動く——それがサラリーマン大家のあるべき姿です。次のセクションでは、「どんな管理会社に乗り換えるべきか」の選定基準を解説します。
新しい管理会社の選び方──「次も外す」を防ぐ正しい評価基準

管理会社の変更で最もやってはいけないのは、「今の会社より良ければどこでもいい」という投げやりな選び方です。その結果、また同じ不満を抱えて数年後に同じ作業を繰り返す羽目になります。
管理会社選びは、採用面接と同じです。あなたがオーナーとして管理会社を「面接する」という意識で臨んでください。
「客付け力」と「管理力」は別物として評価せよ
多くのオーナーが管理会社を一括りで評価しがちですが、実は「客付け力(空室を埋める力)」と「管理力(既存入居者を守る力)」は、まったく別のスキルセットです。
客付け力の見極め方:
客付け力の高さは、次の3つのポイントで測れます。不動産賃貸のポータルサイトに登録・活用しているか、手がける他の賃貸物件の入居率が高いか、仲介会社との関係性が良いか——この3点です。
特に見落とされがちなのが「ポータルサイトの掲載品質」です。ただ登録しているだけでなく、写真の枚数が多い、物件コメントが丁寧に書かれている、間取り図がきれいに整備されている——こうした細部に、その管理会社の「売る気」が如実に表れます。面談前にSUUMOやHOME’Sで管理している他の物件を検索して、掲載クオリティを自分の目で確認することを強くお勧めします。
管理力の見極め方:
管理力は、トラブル対応の速度と報告体制で測ります。面談時に「入居者からのクレームが入った場合、最初の一次連絡はどれくらいで行いますか?」「オーナーへの報告はどのタイミングで、どんな形式で行いますか?」と具体的に聞いてみてください。曖昧な回答しか返ってこない会社は要注意です。
また、その地域に詳しいかどうかは、集客力以外にも「建物管理」「入居者対応」にも活きてきます。エリアの特性(学生が多い、高齢者が多いなど)をきちんと把握している会社は、入居者ニーズに合った提案ができます。地元密着型か広域展開型かを問わず、「あなたの物件があるエリアに精通しているか」を必ず確認してください。
面談で必ず聞くべき5つの質問
管理会社との初回面談は、あなたにとって「見極めの場」です。以下の5つの質問を必ず投げかけてください。
質問①「現在管理している物件の平均入居率を教えてください」 数字を即答できる会社は、自分たちの実績に自信を持っています。管理実績としての稼働率や入居率を公表していることは、実績への自信の表れでもあります。 逆に「物件によります」とだけ言って数字を出せない会社は、管理の質を自分たちでも把握できていない可能性があります。
質問②「空室が2ヶ月続いた場合、どんな提案をしてくれますか?」 具体的なアクションプランを持っているかを確認します。「家賃の見直しを提案します」「ADの増額を検討します」「ポータルサイトの写真を撮り直します」など、複数の選択肢を持っている会社は信頼できます。
質問③「担当者は固定されますか?担当者が変わった場合の引き継ぎ体制はどうなっていますか?」 担当者が頻繁に変わる会社は、オーナーとの関係構築が根本的にできません。たとえ管理会社が優良でも、直接賃貸人とやり取りをする担当者がよくなければ、やはり賃貸管理はスムーズに運びません。担当者の異動・退職時の引き継ぎ体制まで確認することが重要です。
質問④「保証会社との連携はどうなっていますか?前の管理会社の保証会社を引き継ぐことは可能ですか?」 これは前述した保証会社問題への対応力を見る質問です。柔軟な対応策を即座に提示できる会社かどうかを確認してください。
質問⑤「解約の条件と違約金について教えてください」 これは逆説的に聞こえますが、契約前に解約条件を確認することは非常に重要です。「解約の条件が厳しすぎる管理会社」は、それ自体がリスクのシグナルです。健全な管理会社であれば、サービスの品質で解約を防ごうとするはずであり、違約金という「足かせ」で引き留めようとはしません。
この5つの質問への回答の質で、その管理会社の実力と誠実さはほぼ見えてきます。
ところで——良い管理会社を見つける上で、「AD(広告費)」の使い方と仲介会社との関係構築術は、実は見落とされがちな重要テーマです。この点を深掘りした記事で、あなたの物件が仲介会社に「積極的に紹介したい物件」になるための戦略を詳しく解説しています。新しい管理会社を動かすためにも、ぜひ合わせてお読みください。
【内部リンク挿入:ID35「不動産AD相場 仲介会社への『袖の下』と正しい関係構築術」】
引き継ぎを確実に進める「管理会社変更ロードマップ」

新しい管理会社も決まり、解約通知も送った——さあここからが本番です。引き継ぎのフェーズは、最もトラブルが起きやすい「魔の3ヶ月間」です。
引き継ぎで回収すべきもの完全チェックリスト
解約が決まったら、旧管理会社から確実に回収・引き継ぐべきものを整理しておきましょう。
解約後は旧管理会社からの協力を得られないと考えておきましょう。鍵や入居者資料、敷金など、旧管理会社で預かってもらっていたものは、解約後に回収することが大切です。回収の期日も決めておきましょう。
具体的には以下を漏れなく確認してください。
- 物件の全室の鍵(マスターキー含む)
- 全入居者の賃貸借契約書の原本または写し
- 入居者情報(氏名・連絡先・保証人情報)
- 敷金・保証金の預り明細(金額・返還義務の確認)
- 過去の修繕履歴・クレーム対応記録
- 火災保険の契約内容・証書
- 保証会社との契約内容
過去の修繕履歴や入居者からのクレーム内容の共有が不十分だと、新しい管理会社で適切な対応ができません。また、敷金や預り金の精算基準が曖昧で退去時にトラブルが生じる、鍵や個人情報の管理不備によって防犯上のリスクが生じるといったことも起こります。
特に重要なのが「敷金の引き継ぎ」です。オーナーが旧管理会社に預けている敷金が、スムーズに新管理会社へ引き継がれるか——金額と引き渡し日を書面で明確にしておかないと、退去精算の際にトラブルの火種になります。
入居者への通知──混乱させない連絡文のポイント
管理会社の変更は、入居者にとっても「突然の出来事」です。何の説明もなく振込先が変わっていたら、入居者が混乱したり、不信感を抱いて退去を検討するリスクがあります。
管理会社の変更は、突然行うと入居者に不安感を与える恐れがあります。あらかじめ、変更理由や入居者側のメリットを丁寧に説明することで、トラブルを避けられます。管理の質や修繕対応においてのポジティブな理由を伝えることがポイントです。
通知文には必ず以下の内容を盛り込んでください。
- 管理会社が変更になる日付
- 新しい家賃振込先の口座情報(変更日)
- 新管理会社の連絡先(電話番号・担当者名)
- 変更の理由(「入居者の皆様により良いサービスを提供するため」など、前向きな表現で)
また、手紙やポスティングだけでなく、なるべく入居者に会って通知することをおすすめします。 遠隔管理の場合は難しいこともありますが、新管理会社の担当者が直接挨拶に伺う形を取るだけで、入居者の不安は大きく和らぎます。
通知のタイミングは、管理会社変更の1ヶ月前を目安にしてください。法人入居者の場合は振込先変更の社内手続きに時間がかかるため、2ヶ月前の通知が望ましいです。
旧管理会社が非協力的になったときの対処法
解約通知を出した後、旧管理会社の態度が豹変するケースは実際に起きます。解約を通知された管理会社にとって、解約までの引き継ぎ業務は面倒な作業にしか感じられず非協力的になってしまうことがあります。なかにはわざと妨害して、引き継ぎ業務に支障が出るような嫌がらせをする管理会社もあります。
このような事態への対処法は明確です。
①すべてのやり取りを書面・メールで残す 口頭での確認は一切しないことが鉄則です。電話で話した内容も、必ず「先ほどのお電話の内容を確認のため書面でお送りします」とメールでフォローしてください。
②引き継ぎ事項のチェックリストを作成し、新管理会社と共有する 新管理会社に旗振り役を任せましょう。引き継ぎのプロである新管理会社が主導することで、旧管理会社も「プロとしての対応」を迫られるケースが多いです。
③最終手段は内容証明郵便 書類の引き渡しを明確に拒否されるなど、悪質な妨害が続く場合は内容証明郵便で期限を切った引き渡し要求を送りましょう。法的な証拠能力を持つこの一手が、多くの場合相手の態度を一変させます。
ただし、そもそも「解約通知前に次の管理会社を決めておく」という準備をしていれば、非協力的な旧管理会社への対処も新管理会社と連携して進められます。これが、事前準備が最大の防衛になる理由です。
なお、遠隔地の物件でも管理会社との関係を「事業パートナー」として機能させるITツールの活用法や、外注管理の全体設計については、以下の記事で詳しく解説しています。管理会社を変えた後の「運用レベルを上げる」ための必読記事です。
【内部リンク挿入:ID38「遠隔 大家 管理術(サラリーマンの外注管理術)」】
管理会社を変えるべきかどうかの最終判断基準

ここまで読んでいただいた上で、「それでもウチは変えるべきか迷っている」という方のために、最終的な判断基準を整理します。
変更を選ぶべきケース(3つ以上当てはまるなら即変更を検討)
- 空室が3ヶ月以上続き、改善提案が来ない
- 報告・連絡・相談が慢性的に機能していない
- 共用部の清掃・点検が明らかに機能していない
- 担当者を変えても状況が改善しなかった
- 入居者から直接クレームが来るようになった
- 管理会社との電話やメールのレスポンスが数日単位
変更より改善交渉を選ぶべきケース
- 担当者個人への不満であり、会社としての品質は高い
- 過去の入居率・対応実績は良好で、最近になって質が落ちた
- 変更すると繁忙期(1〜3月・9〜10月)に引き継ぎが重なる
不動産管理業の繁忙期である9〜10月と1〜3月の期間と重ならないように計画しましょう。 繁忙期は引き継ぎの質が落ちやすく、新管理会社も客付けに集中できません。変更のタイミングは、4〜8月か11〜12月が理想的です。
管理会社を変えることは、ゴールではありません。あなたの物件を預ける「事業パートナー」を刷新し、収益を立て直すための手段です。感情ではなく、この判断基準を冷静に当てはめてください。
よくある質問──管理会社変更でオーナーが迷うポイントQ&A

- Q管理会社を変更すると、入居者が退去してしまうリスクはありますか?
- A
適切な手順で通知を行えば、退去リスクは最小限に抑えられます。
管理会社の変更に伴って入居者が退去するケースは、ほとんどの場合「通知の仕方」に問題があります。管理会社が変更になったことで「サービスが低下するのでは?」と不信感を抱く入居者も出てきます。不信感から退去につながる可能性もあるため、管理会社の変更はサービスの向上目的で行ったということを通知しておくと入居者も安心して住み続けることができます。
「より良いサービス提供のための変更である」という前向きなメッセージを、変更の1ヶ月前を目安に書面で伝えることが最大の防衛策です。また、新管理会社の担当者が入居者に直接挨拶する機会を設けると、安心感がさらに高まります。入居者への配慮を怠らなければ、変更自体が退去の引き金になることはほとんどありません。
- Q契約期間中でも管理会社を変更することはできますか?
- A
できます。ただし、契約書の解約条件を必ず確認してください。
基本的にオーナーは、いつでも自由に管理会社を変更できます。管理委託契約は一般的に自動更新する場合が多いため、契約書には中途解約について記載されていないこともあります。その場合でも、依頼者である賃貸物件のオーナーは管理委託契約を解約できます。
ただし、契約書に違約金や解約予告期間の定めがある場合はその条件に従う必要があります。また、民法第651条では「委任はいつでも解除できる」と定められているため、法律上はオーナー側に解約の権利があります。契約書に不利な条件がある場合も、新管理会社に相談しながら対応策を検討することをお勧めします。
- Q管理会社を変更しても、空室が埋まらないケースはありますか?
- A
あります。管理会社だけが原因ではないケースも存在するからです。
管理会社を変えたのに空室が続く場合、原因は大きく2つに分けられます。ひとつは物件そのものの問題(家賃設定が相場より高い、設備が古すぎるなど)、もうひとつはエリアの需給バランスの問題(人口減少地域、競合物件の急増など)です。
稼働率の低い所有物件は、物件そのものが問題を抱えている場合と管理を委託している賃貸管理会社に問題がある場合に大きく分けられます。
管理会社を変える前に「空室の本当の原因は何か」を冷静に分析することが重要です。家賃の見直しや設備投資が先に必要なケースもあります。管理会社の変更は万能薬ではありませんが、客付け力がある会社への変更は、物件の訴求力を最大化する上で非常に有効な一手であることは間違いありません。
まとめ──管理会社を変えれば、死んでいた物件が息を吹き返す

この記事で伝えたかったことを、最後に整理します。
管理会社を変えることへの「恐れ」は、多くの場合、手順を知らないことから生まれています。
正しい知識を持てば、管理会社の変更は複雑な手術ではありません。正しい順番で、正しい書類を揃えて動くだけの、シンプルな経営判断です。
記事の要点をまとめます。
① 変えるべき「3つのレッドカード」を見極める 空室放置・報告なし・建物の劣化放置——このうちひとつでも慢性化しているなら、変更を検討する段階です。不満と「限界ライン」は冷静に切り分けてください。
② 動く前に契約書を読む 解約予告期間・違約金・保証会社の関係——この3点を確認しないまま動くと、余計なコストと混乱を招きます。必ず「次の管理会社を先に決めてから」解約通知を出してください。
③ 新しい管理会社は「面接」して選ぶ 客付け力と管理力は別物です。5つの質問を使って実力と誠実さを見極め、違約金で縛ろうとする会社は最初から外してください。
④ 引き継ぎは「書面」で完結させる 鍵・敷金・入居者情報・修繕履歴——すべて書面で確認し、期日を切って回収する。旧管理会社が非協力的になっても、記録が残っていれば必ず対処できます。
⑤ 変更のタイミングは繁忙期を避ける 4〜8月・11〜12月が理想です。繁忙期の変更は引き継ぎの質を下げ、新管理会社の客付け集中力も削ぎます。
管理会社への不満を「仕方ない」と飲み込み続けることは、経営判断の放棄です。あなたの物件は、あなたが経営者として守らなければ、誰も守ってくれません。
管理会社を正しく変えることで、長年埋まらなかった空室が動き出し、放置されていたクレームが解消され、建物の見た目が見違えるように改善した——そういう事例は決して珍しくありません。「変えて良かった」という結果は、正しい手順を踏んだオーナーだけが手にできるものです。
この記事を読んで「自分の物件はどう判断すべきか」「新しい管理会社をどう探すべきか」など、具体的な疑問が出てきた方は、ぜひ私が運営するLINEオープンチャットへどうぞ。管理会社の選定基準の数値的な目安や、エリア別の注意点など、ブログには書けない踏み込んだ情報を参加者限定でお伝えしています。
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また、管理会社の選び方の全体像を俯瞰したい方には、以下の親記事もあわせてご覧ください。管理会社との付き合い方を「事業の設計」として捉え直すための体系的な情報をまとめています。
【内部リンク挿入:ID51「不動産投資 管理会社 選び方【完全版】」】


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