- 金利が上がっているのに、不動産を買うのは危ないのではと思う
- 金利が下がるまで、物件を買うのは待ったほうがいいのか迷っている
- ニュースは「不動産に逆風」ばかりで、動いていいのかわからない
日銀が政策金利を1.25%に引き上げ、ニュースには「不動産に逆風」という言葉が並びました。借りて買う不動産投資にとって、金利が上がるのは悪い話。これが世の中の見方です。
私は、そうは思っていません。むしろ、条件がそろっている人にとっては、今は買い時だと考えています。
私は地方在住・大家歴13年の現役サラリーマン大家です。3棟38室を運営しています。
いま手元に残る税引前キャッシュフロー(家賃からローン返済や経費を引いて残るお金)は月30万円。これを5年間継続できています。
この記事は、少しへそ曲がりなコラムです。金利が上がる今こそ買い時だと私が考える理由を5つ、家賃+売値-経費>買値の式に当てはめて書きました。最後に、それでも今は買ってはいけない人の条件も書いています。
結論から言うと、金利はあとから下げられますが、買値はあとから下げられません。高い金利で計算しても回る物件を、回る値段で買える人にとって、金利の上昇は追い風です。
金利が上がっても回る物件かどうかは、実際の資料で比べると判断しやすくなります。私も以前取り寄せましたが、物件選びの考え方が図でまとまっていて、有料でもおかしくない内容でした。
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理由① 金利が上がると、買いのライバルが減る

銀行は、毎月の返済額が年収や家賃に対してどれくらいの割合になるか(返済比率)を見て、貸す金額を決めます。金利が上がると、同じ年収でも、借りられる金額は小さくなります。
借りられる金額が減るのは、私だけではありません。高い値段でも買ってしまう人が、市場から減っていきます。ライバルが減れば、売り出し価格からの値下げ交渉(指値)が通りやすくなるのです。
式で言えば、金利は「経費」を増やす力。でも同時に、式でいちばん大きな「買値」を下げる力にもなります。世の中が経費の話ばかりしているときこそ、買値の話をする人が有利になります。
理由② 金利はあとから下げられるが、買値は下げられない

私の最初の一棟は、金利4.5%のフルローンでした。返済が始まってから、金利の重さを痛感しました。
それでも、その金利はずっと4.5%のままではありませんでした。銀行と交渉して、借り換えをせずに3.1%まで下げてもらったからです(スルガ銀行との金利交渉の実体験)。
金利は、買ったあとでも交渉や借り換えで動かせます。ところが買値は、一度契約したら二度と下がりません。高い買値で買った物件は、金利がどれだけ下がっても、高い買値のままです。
だから私は、金利が高いときに安く買うほうが、金利が低いときに高く買うよりずっといいと考えています。金利が下がったら、そのとき交渉すればいいのです(アパートローンの借り換えガイド)。
理由③ 高い金利で買った人は、その後の利上げに強い
金利が低い時代に買った人の中には、「その低い金利でしか回らない物件」を買ってしまった人もいました。金利が上がると、そういう物件から苦しくなるのは当然です。
今買う人は、上がった金利で収支を計算します。今の金利で回らない物件は、そもそも買えません。厳しい条件でふるいにかけた結果、残るのは強い物件だけです。
今の金利で計算して回る物件なら、この先さらに金利が上がっても耐えられる幅が大きくなります。何%まで耐えられるかの計算は、金利上昇シミュレーションで紹介しています。
理由④ 金利が上がる時代は、借金が目減りし家賃が上がる時代
そもそも日銀が金利を上げるのは、物価が上がっているからです。物価が上がる時代には、家賃も上がる方向に動きます。実際に、2026年8月のアパートのシングル向きの募集家賃は、調査している13エリアすべてで前年を上回りました(家賃のコラム)。
一方で、ローンの残りの金額は、物価に合わせて増えることはありません。1,000万円の借金は、物価が上がっても1,000万円のままです。お金の値打ちが下がる時代には、借金の重さも実質的に軽くなっていくわけです。
現金を持っているだけの人は、物価が上がるほど損をします。家賃という、物価と一緒に動きやすい収入を持っている大家は、その逆側に立てるのが強み。
理由⑤ 新しい賃貸住宅が建たなくなる

建築費が上がり、金利も上がると、新しくアパートやマンションを建てて貸す計画は、採算が合いにくくなる一方です。
国土交通省の統計では、2025年の貸家(賃貸住宅)の新築は324,991戸で、前年より5.0%減りました。減るのは3年連続です(国土交通省 建築着工統計調査報告)。
新築が増えにくければ、今ある物件のライバルも増えにくくなります。新しい物件に入居者を取られにくくなるのは、すでに物件を持っている大家や、これから中古を買う人にとって追い風になります。

ニュースが「逆風」と言うとき、その風は、たいてい誰かの追い風です。どちら側に立つかは、買い方で決まります。
それでも「下がるまで待つ」が損になる理由
「金利が上がって物件の値段が下がるなら、下がりきってから買えばいい」と思いますよね。
ただ、底値は過ぎてからしかわかりません。そして、待っている間にも確実に減っていくものがあります。年齢です。
銀行が貸す期間は、借りる人の年齢で短くなります。同じ物件でも、返済期間が短くなれば毎月の返済は重くなります。
金利は下がるのを待てても、年齢は待ってくれません。会社員の与信を使えるのは、働いている間だけです。
今こそ動いていい人の3つの条件

ここまで「今は買い時」と書いてきましたが、誰にでも当てはまる話ではありません。次の3つがそろっている人に限った話です。
1つでも欠けている人は、今は買う時期ではなく、準備の時期です。撤退ラインの決め方は撤退ラインの記事、家賃が下がったときの計算は3シナリオ計算の記事で紹介しています。
まとめ|逆風のときに買える人が、あとで笑う

- 金利が上がると借りられる額が減り、高値で買うライバルが減る
- 金利はあとから交渉や借り換えで下げられるが、買値は下げられない
- 今の金利で回る物件しか買えないので、残るのは強い物件だけ
- 物価が上がる時代は、借金が目減りし、家賃が上がる
- 貸家の新築は3年連続で減っており、今ある物件のライバルが増えにくい
金利上昇は、条件がそろった人にとっては追い風です。逆に、条件がそろっていない人にとっては、本当に逆風になります。どちら側に立つかは、金利ではなく、あなたの準備で決まります。
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