スルガ銀行のフルローンで物件を買った。金利は4.5%(私が借りた当時の水準です)。毎月の返済明細を見るたびに、この数字さえ下がれば手残りがまるで違うのに、と思っていませんか。
近年は金利が上昇局面にあり、これから借りる場合の水準は当時とは異なりますが、「高い金利をどう下げるか」という悩みの本質は変わりません。
先に結論をお伝えします。高い金利を下げる道は2つあります。ひとつは借り換え、もうひとつは今の銀行との金利交渉です。
多くのサイトが勧めるのは前者の借り換えです。金利を大きく下げられる可能性があり、条件が合えば近道になります。ただ、借り換えには物件の担保評価や諸費用という壁があり、「審査に通らない」「今の物件では出口が見えない」という理由で借り換えできない人も少なくありません。
私がそうでした。だから私が実際に選んだのは、後者の「借り換えではなく、今のスルガ銀行との交渉で金利を下げる」という道です。結果として、当時4.5%だった金利を3.1%まで下げることができました。
この記事では、その実体験をもとに、スルガ銀行との金利交渉で下げられた理由、逆に下げられなかった場面、そして「交渉が通る人・通らない人」の違いを、正直に書きます。借り換えを検討している方にも、交渉という第二の道があることを知ってもらえたらと思います。
スルガ銀行のフルローン4.5%を、私は交渉で3.1%まで下げた
まず私の実例からお話しします。
13年前、私が最初に買った一棟アパート(長野県松本市・10室)は、スルガ銀行のフルローンでした。当時の金利は4.5%。今の水準から見ればかなり高い金利です。
フルローンで買えたこと自体はありがたかったのですが、返済が始まってみると、この金利の重さが毎月のキャッシュフローに効いてきました。
転機は、購入から2年ほど経ったころです。私はスルガ銀行に金利の引き下げ交渉を持ちかけました。
そして交渉の結果、金利は4.5%から3.1%まで下がりました。借り換えではありません。今借りている銀行に、そのまま金利を下げてもらったのです。
1.4%の差は、金額にすると小さくありません。借入残高が大きいほど、この差は毎月・毎年の手残りに効いてきます。
「今の銀行に交渉なんて」と諦めていた当時の自分に、やってみる価値はあると伝えたい。それがこの記事を書いている理由です。
ただし、正直に付け加えておくことがあります。交渉は万能ではありませんでした。この点は後の章で包み隠さず書きます。
なぜ「借り換え」ではなく「交渉」だったのか
金利を下げると聞くと、多くの人がまず「借り換え」を思い浮かべます。実際、借り換えで金利が大きく下がるケースはあり、条件が合うなら有力な選択肢です。
ではなぜ私は借り換えではなく交渉を選んだのか。理由はシンプルで、借り換えには借り換えの壁があるからです。
一般に、借り換えでは新しい銀行が物件を審査し直します。そこで問われるのが、物件の担保評価、残っている耐用年数、そして自分自身の属性です。
築年数が経っていたり、地方の物件だったり、フルローンで残債が物件価格に近かったりすると、借り換え先の審査が通りにくくなります。さらに、借り換えには登記費用や事務手数料といった諸費用もかかります。
「スルガ銀行 金利 下げる」と検索する人の中には、一度は借り換えを考えたけれど、審査や諸費用の壁にぶつかった人が少なくないはずです。私もそのひとりでした。
そこで残るのが、「今の銀行に、そのまま金利を下げてもらう」という道です。借り換えのように物件を審査し直す必要がなく、諸費用もかかりません。借り換えが難しい人にとっての、現実的な第二の選択肢です。
交渉で下げられた理由は、たったひとつ「2年分の返済実績」だった
ここが一番知りたいところだと思います。私が交渉で用意できた材料は何だったのか。
正直に書きます。特別な資料も、人脈も、交渉テクニックもありませんでした。私が持っていた武器は、たったひとつ。
2年間、一度も延滞せずに返済してきたという実績だけです。
購入直後にいきなり「金利を下げてくれ」と言っても、銀行には応じる理由がありません。しかし、2年きっちり返済を続けた借り手は、銀行から見れば「貸し倒れの心配が小さい、付き合いを続けたい客」です。
だからこそ、金利を下げてでも取引を維持する判断が生まれる余地があります。私が2年待ってから交渉したのは、結果的にそこが効いたのだと思っています。
一般論として、金融機関が金利引き下げの可否を判断するときに見ているとされるのは、次のような点です。
- 返済実績:延滞なく返済を続けているか。期間が長いほど信用は厚くなる
- 担保評価と残債のバランス:物件価値に対して残債が減ってきているか
- 取引の深さ:預金や他の取引など、その銀行とどれだけ付き合いがあるか
- 他行の動き:借り換えられる可能性があると銀行が意識するかどうか
これらはあくまで一般的に言われる観点で、私が特別に全部を揃えたわけではありません。私の場合は「返済実績」という一点でした。逆に言えば、この一点があるかないかが、交渉のスタートラインを決めるとも言えます。
なお、金利をめぐる交渉は、返済が苦しくなってからの「リスケジュール(返済条件の変更)」とは別物です。私は後年、キャッシュフローが行き詰まったときに、スルガ銀行と別の交渉もしています。その生々しい経緯は、以下の記事に詳しく書きました。
正直に書く。交渉は万能ではなかった
ここまで読むと「交渉すれば下がるのか」と思われるかもしれませんが、そう単純ではありません。私自身、交渉の限界にぶつかっています。
一度4.5%から3.1%まで下げてもらった後、その後にキャッシュフローがさらに厳しくなった局面で、私は「もう少し金利を下げてもらえないか」と再度お願いしました。しかし、これは叶いませんでした。一度下げた金利を、さらに下げてもらうのは簡単ではないということです。
だから「交渉すれば誰でも、何度でも金利が下がる」という期待は持たない方がいいです。下がるかどうかは、返済実績・物件・タイミング・銀行の方針によって変わります。私の3.1%も、たまたま条件が噛み合った結果であって、保証されたものではありませんでした。
それでも、交渉には費用がかかりません。断られても失うものはほとんどない。「ダメ元で聞いてみる」価値は十分にある——これが13年やってきた私の実感です。
交渉が通りやすい人・通りにくい人の違い
私の経験と、一般に言われることを合わせて整理すると、金利交渉が通りやすい人と通りにくい人には、おおよその傾向があります。
| 通りやすい傾向 | 通りにくい傾向 |
|---|---|
| 数年の延滞なし返済実績がある | 購入直後で実績がまだ薄い |
| その銀行に預金など取引が多い(メインバンク化している) | 融資以外の取引がほとんどない |
| 残債が減り担保に余裕が出てきた | フルローンで残債が物件価格に近い |
| 他行への借り換え余地がある(と銀行が意識する) | 借り換え先が全く見つからない状態 |
| 返済が正常な「今」動いている | すでに延滞が発生している |
ポイントは、交渉は「余裕があるうち」に動く方が通りやすいということです。返済が苦しくなってから金利を下げてくれと言っても、銀行から見れば信用が下がっている局面なので、むしろ話が難しくなります。返済が正常に回っている今こそ、交渉のタイミングだと考えてください。
もうひとつ、スルガ銀行の担当者から直接聞いた話を付け加えておきます。その銀行に預金をたくさん預けている人ほど、金利交渉で有利になるとのことでした。融資だけでなく預金や他の取引でも付き合いがある「メインバンク化した客」は、銀行にとって手放したくない相手だからです。
これはスルガに限らず一般的に通じる話で、もし交渉や借り換えを検討していて手元に預金があるなら、その銀行に預金を寄せておくと交渉が有利に働きやすくなります。
交渉を成功させるために、知っておくと有利なこと
私自身の武器は返済実績と預金でしたが、一般に金利交渉で有効とされる「進め方のコツ」がいくつかあります。私が全部を実践したわけではありませんが、知っておいて損はないので共有します。
「他行で借り換えられる」を、口頭ではなく事実で示す
金利交渉で最も強い材料は、他行で実際に借り換えの仮審査を通した、という客観的な事実だと言われます。銀行にとって、返済実績のある優良客が他行に逃げるのは、将来の金利収入と貸出残高を同時に失う避けたい事態だからです。
ここで大事なのは、「借り換えるかもしれませんよ」と口頭でほのめかすだけでは弱いということです。ベテランの銀行員はその手の”匂わせ”を見慣れています。
他行の仮審査に通った書面や金利の試算を実際に見せて初めて、担当者は行内で「この客を引き止めるために金利を下げるべき」という稟議を起こす根拠を得られます。つまり、借り換えの試算を取ること自体が、今の銀行との交渉を有利にする武器になるのです。
担当者を「敵」ではなく「味方」にする
金利を下げる決定権は、目の前の担当者個人にはありません。支店長や本部の審査部の決裁が必要です。
だからこそ、担当者を飛び越えて支店長に直談判するのは逆効果だと言われます。担当者の顔を潰すことになり、行内で味方になってくれる人を失うからです。
正しいのは、担当者に「上司を説得するための材料」を渡してあげることです。他行の具体的な条件、これまでの返済実績、預金などの取引実績——こうした材料を担当者の手に持たせれば、担当者はそれを武器に行内で交渉してくれます。金利交渉は、担当者との対決ではなく、担当者と一緒に銀行の審査部を口説く共同作業だと考えると、うまくいきやすくなります。
交渉が難しいなら、やはり借り換えも並行して考える
ここまで交渉の話をしてきましたが、交渉と借り換えは、どちらか一方ではなく両にらみで考えるのが現実的です。
前の章で書いた通り、借り換えの可能性を調べておくことは、交渉そのものにも効いてきます。「他行なら、この条件で借り換えられる」という具体的な仮審査結果があると、今の銀行との交渉でも説得力が段違いになるからです。交渉のための武器としても、借り換えの試算は先に取っておく価値があります。
借り換えが可能かどうかの判断基準や、諸費用を何年で回収できるかの考え方は、以下の記事で詳しく整理しています。交渉と並行して、自分が借り換えできる側なのかを一度確認してみてください。
アパートローンの借り換えは可能?メリットと5つの閾値・銀行の選び方
スルガの交渉が難しくても、借り換えできる銀行が見つかることは珍しくありません。あきらめる前に、今の自分がいくらで借り換えられるかを確認してみてください。
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最後に——一人で抱えないでほしい
金利の話に限らず、不動産投資は「相談相手がいない」という孤独との戦いでもあります。
私自身、かつてスルガ銀行をめぐる問題が世間を騒がせたとき、自分の物件は大丈夫なのかと不安になりながら、どこに相談していいか分からず、一人で抱えてしまったことがあります。今振り返れば、もっと早く誰かに相談していれば、と思う場面がいくつもありました。
金利交渉も同じです。まずは今の銀行に、返済実績を根拠に「金利を見直してもらえないか」と聞いてみる。断られても失うものはありません。
そして交渉が難しいなら借り換えを調べる。ひとつの銀行、ひとつの方法に縛られず、選択肢を持っておくことが、高い金利から抜け出す一番の近道です。
この記事が、4.5%の返済明細を前にため息をついている、かつての私のような誰かの役に立てば幸いです。
よくある質問

- Q今借りている銀行に金利の引き下げ交渉をすると、機嫌を損ねて一括返済を求められませんか?
- A
正常に返済を続けている借り手に対して、金利交渉を持ちかけただけで一括返済を求めるというのは、現実的には考えにくい対応です。銀行にとっても、延滞なく返済してくれている客は維持したい取引先だからです。私自身、交渉を持ちかけたことで関係が悪くなったという経験はありません。
もちろん結果として下がらないことはありますが、「聞いてみること」自体のリスクは小さいと考えてよいでしょう。ただし、すでに延滞が発生しているなど信用が揺らいでいる状態では話が別です。交渉は返済が正常なうちに動くのが原則です。
- Q金利交渉はいつ、どのくらいの返済実績があれば動くべきですか?
- A
私の場合は購入から2年ほど経ってから交渉し、金利が下がりました。明確な基準があるわけではありませんが、少なくとも数年単位で延滞なく返済してきた実績があると、交渉のスタートラインに立ちやすくなります。
逆に購入直後は、銀行から見れば実績がまだ薄く、応じる理由が乏しいのが実情です。返済が正常に回っていて、残債も減ってきたタイミングを見計らって動くのがよいでしょう。
- Q交渉で金利が下がらなかったら、どうすればいいですか?
- A
交渉が通らないこともあります。私も一度は下げてもらえた一方、その後さらに下げてほしいと願ったときは断られました。交渉で動かない場合は、借り換えを本格的に検討する番です。
他行で借り換えが可能なら、そちらの方が下げ幅は大きくなることもあります。借り換えの可否は物件の担保評価や自分の属性で決まるため、まずは借り換えの試算をして、自分がどちらの手段を使える立場なのかを把握しておくことをおすすめします。
まとめ
スルガ銀行の高い金利に悩んでいるなら、下げる道は借り換えだけではありません。私は借り換えではなく、今の銀行との交渉で、4.5%を3.1%まで下げました。武器は特別なものではなく、2年間の延滞なし返済実績、ただそれだけでした。
- 金利を下げる道は「借り換え」と「今の銀行との交渉」の2つ
- 借り換えが難しい人には、交渉という第二の道がある
- 交渉の武器は「延滞なしの返済実績」。動くなら返済が正常な今
- ただし交渉は万能ではない。下がらないこともある
- 交渉と借り換えは両にらみで。断られても失うものはない
高い金利は、事業の手残りを静かに削り続けます。ダメ元でも一度、今の銀行に聞いてみてください。あの日ため息をついていた私が、それで1.4%を取り戻せたのですから。
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