満室想定の収支シミュレーションを見て、「これなら回る」と安心していませんか。
- 満室想定の数字だけを見て、物件の良し悪しを判断している
- 空室や金利上昇が重なったとき、本当に耐えられるか計算したことがない
- 悪い条件を想定するのが怖くて、つい避けてしまう
ところが、満室想定の数字だけを見て判断すると、少し状況が悪化しただけで資金繰りが止まる物件を買ってしまいます。
私も物件を検討していたとき、正直、楽観的な数字だけを見て、危うく判断を誤りかけたことがあります。
鳥取に住みながら会社員を続けて13年、いまは3棟38室・借入2億円超です。
この記事では、悲観・標準・楽観の3シナリオで収支を確認する方法を解説します。
悲観シナリオでも回るかどうか、それだけを見ればいいのです。
読み終える頃には、どんな物件でも自分で3シナリオを計算できるようになります。
結論からお伝えします。見るべきなのは、悲観シナリオでも赤字にならないかどうか、それだけです。
楽観シナリオの数字がどれだけ良くても、意味がありません。
結論:悲観シナリオが赤字にならないかだけ見ます
順番を間違える人が多いので、先に結論から言うと、振るべき変数は4つです。
- 空室率:標準10%・悲観20%くらいを目安に振る
- 金利:標準は現在の金利+0.5%・悲観は現在の金利+1.5%くらい
- 修繕費:標準は想定どおり・悲観は想定の1.5倍くらいで見る
- 家賃:標準は現在の相場どおり・悲観は5%くらい下がる想定で見る
この4つを悲観方向に振って、それでも赤字にならないかを確認します。
それだけです。
なぜ悲観シナリオだけを見ればいいのか
楽観シナリオの数字がどれだけ良くても、実際にその通りになる保証はありません。一方、悲観シナリオで赤字にならなければ、それ以上の条件では必ず黒字になります。
つまり、悲観シナリオこそが、本当に確認すべき唯一のラインです。楽観の数字を見て安心するのは、時間の無駄になりかねません。

楽観シナリオの数字だけを見せてくる業者もいます。「悲観シナリオも計算してください」と、こちらから求めてください。それだけで、業者の本気度も分かります。
銀行の窓口で融資の相談をするときも、この悲観シナリオを持って行くと話が早いです。
空室率の振り方|標準10%・悲観20%
空室率は、エリアの相場によって変わりますが、標準では10%前後、悲観では20%前後を目安に振ってください。
| シナリオ | 空室率 | 考え方 |
|---|---|---|
| 楽観 | 5% | ほぼ満室が続く前提 |
| 標準 | 10% | 一般的な入退去のペース |
| 悲観 | 20% | 複数室が同時に空く月がある前提 |
この表を、電卓を片手に自分の物件の家賃と部屋数に当てはめて、実際の金額に置き換えてみてください。
金利と修繕費の振り方
金利は、変動金利で借りる場合、将来上がる前提で見ておく必要があります。
- 楽観:現在の金利のまま
- 標準:現在の金利+0.5%
- 悲観:現在の金利+1.5%
修繕費は、資料に載っている想定額をそのまま信じず、悲観シナリオでは1.5倍くらいを見込んでおくと安全です。
業者の収支シミュレーションには、悲観シナリオが含まれていないことがほとんどです。
楽観・標準の数字しか見せられていないなら、自分で悲観シナリオを追加して計算してください。
自分で追加するしかないのです。
契約しない条件を、先に書いておく
3シナリオを計算したら、悲観シナリオが赤字になる物件は、契約しないという条件を先に紙に書いておいてください。
計算した後で、その場の空気に流されて判断を変えないためです。先に条件を書いておけば、迷う余地がなくなります。
「今回だけは例外」を一度でも認めると、次からその基準は崩れていきます。
悲観シナリオが赤字なら、他の条件がどれだけ良くても、契約しないと決めておいてください。
例外を作らないことです。
業者にしつこく勧められても、悲観シナリオが赤字なら断ればいいだけです。
危うく見送りかけた私の話
西宮の物件を検討していたとき、楽観シナリオでは十分な利回りに見え、一度は購入に前向きになりかけたことがあります。
念のため通帳と電卓を並べて悲観シナリオを計算し直すと、空室率20%と金利上昇を重ねただけで、毎月の収支が赤字に転落することが分かりました。この計算がなければ、そのまま契約していたはずです。
この経験から、今ではどんな物件でも、楽観シナリオだけで判断することは絶対にありません。悲観シナリオを計算する数分の手間が、数百万円単位の損失を防いでくれています。
駅前のカフェで数分計算するだけで、防げる損失です。
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3シナリオの計算ができたら、まず次は「融資はどこで借りるか」という、銀行選びの話に進んでください。

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