- 物件を買ってから、知らない不動産会社から手紙が届くようになった
- 今なら高く買いますと書いてあり、連絡すべきか迷っている
- そもそも、なぜ自分が持ち主だと知っているのか気になる
物件を持っていると、知らない不動産会社から売却を勧める手紙が届きます。私のところにも、月に1件ほど届きます。手書きのものまであります。
なぜ私が持ち主だと知っているのか、ずっと不思議でした。ところが10月1日から、こうした手紙が届く原因のひとつがなくなります。
私は地方在住・大家歴13年の現役サラリーマン大家です。3棟38室を運営しています。いま手元に残る税引前キャッシュフロー(家賃からローン返済や経費を引いて残るお金)は月30万円。これを5年間継続できています。
この記事では、売却のDMが届く仕組みと、10月のルール改正で変わることをまとめます。高い金額が書かれたDMが届いたときに、どうすればよいかも書きます。読み終えるころには、手元のDMに連絡すべきかどうかを自分で判断できるようになります。
結論から言うと、DMに書かれた金額は、実際に売れる値段とは異なります。自分の物件がいくらで売れるかは、近くで実際に売買された値段を見て確かめます。
DMの金額が気になったら、まず相場を調べておくと、手紙の金額が高すぎるかどうかが分かります。AIの査定なら、60秒ほどの入力で目安が分かります。
※ 査定は無料です。売るかどうかは、結果を見てから決められます
10月1日から、登記受付帳で物件の場所が分からなくなった

法務局は、土地や建物の持ち主を記録している国の役所です。法務局には、いつ、どんな登記(持ち主の記録の手続き)を受け付けたかを書いた登記受付帳という帳簿があります。これまでは、この帳簿を見せてもらうと、売買や相続があった物件の場所が分かりました。
不動産会社はこの情報を使って、最近売買や相続があった物件を見つけ、登記簿(持ち主の名前や住所が書かれた記録)で持ち主を調べて、手紙を送っていました。私が物件を買ったあとに手紙が届き始めたのも、この流れです。長年の疑問が、これで解けました。
法務省のルール(省令)が変わり、10月1日以降に登記された物件は、受付帳を見せてもらっても、何の登記か(売買・相続など)と物件の場所が書かれなくなりました(東京法務局のお知らせ)。ただし、見えなくなるのは10月1日以降に登記された物件だけです。9月30日までに登記された物件は、今もこれまでどおり受付帳で場所が分かります。
あわせて、10月5日からは、個人が物件を買って持ち主として登記するときに、国籍を届け出ることが必要になりました(法務省の案内)。これから物件を買う人には、登記を頼む司法書士から案内があります。
DMがゼロになるわけではない

今回なくなったのは、物件を知らなくても、最近売買や相続があった物件を受付帳から一覧で見つける方法です。これまでは、受付帳を見れば、いつ、どこの物件で売買や相続があったかが分かりました。10月1日以降の登記は、受付の日付と番号しか載りません。
| 業者の状況 | 10月1日以降の登記 | 9月30日までの登記 |
|---|---|---|
| 物件を知っている | 今後も登記簿で持ち主が分かる | 登記簿で持ち主が分かる |
| 物件を知らない | 受付帳に日付と番号しか載らず、どこの物件か分からない | 受付帳で売買・相続のあった物件が分かり、登記簿で持ち主も分かる |
一方、物件の場所を知っていれば、持ち主は今後も登記簿で調べられます。登記簿は、手数料を払えば誰でも取れるからです。業者が自分で建物に目を付ければ、手紙は届きます。9月30日までの受付帳も今までどおり見られるので、すでに物件を持っている私のような大家への手紙は、すぐには減らないと見ています。
高い金額のDMに連絡しなかった理由

私に届く手紙で一番多いのは、高い金額を示すものです。たとえば、私が870万円で買った尼崎の区分ワンルームには、相場が400万円台なのに「960万円で買いたい」という手紙が、年に数回届きます。
正直、この金額がいちばん怖い。知り合いの不動産関係者に聞くと、こうした手紙に連絡して売却を任せる契約を結ぶと、そのあと値段をどんどん下げる話になることが多いそうです。だから私は、まだ一度も連絡したことがありません。
家賃+売値-経費>買値の式で、私は物件の損得を考えています。手紙の金額は、この式の売値を実際より大きく見せるものです。売値を高く見積もると、まだ持っていたほうがよい物件を手放したり、売り時を逃したりします。売るかどうかを考えるときの売値は、実際に売買された値段で考えてください。

本当に高く買いたいお客様がいるなら、買う条件を紙に書いて出してもらえば分かります。それが出てこないなら、まず相場を調べてください。
大家が今やる3つのこと

①近くで実際に取引された価格を調べる
国土交通省の不動産情報ライブラリで、同じ地域で、広さや築年数が近い物件が実際に売買された値段を見ます。手紙の金額と比べれば、どれだけ高く書かれているかがすぐ分かります。
②売るなら、査定は複数の会社に頼む
1社だけの査定では、高すぎるのか妥当なのか判断がつきません。査定を頼むときは、その金額になった理由として、近くで売れた例を見せてもらいます。業者を見比べる質問は、相見積もりと業者面談の受け方にまとめています。
③売ったあとに手元に残る金額まで計算する
売値が分かったら、仲介手数料や税金、ローンの残りを引いて、手元にいくら残るかを計算します。計算の手順は、売却にかかる費用と手残りの計算で解説しています。
まとめ|DMの金額ではなく、取引価格で判断する

- 10月1日以降に登記された物件は、受付帳から、何の登記かと物件の場所が分からなくなった
- これから買う人・相続する人への売却の手紙は届きにくくなる。すでに持っている物件への手紙は続く
- 10月5日からは、所有権の登記で国籍の申し出が必要
- 手紙の金額をそのまま信じない。近くで売買された値段と、複数社の査定で確かめる
売却の手紙は、売り時を考えるきっかけとしては役に立ちます。ただ、書かれた金額をそのまま信じるのは危険です。手紙が届いたら、まず相場を確かめてから読んでください。
相場を調べる方法はいくつかあります。たくさんの会社から電話が来るのが心配なら、電話は必要最小限と案内しているAIの査定が手軽です。実家の相続でも使える方法は、実家の売却・処分の進め方の記事で紹介しています。
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