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不動産投資ローンと住宅ローンの影響・両立条件|審査年収目安と与信管理・マイホームとの兼ね合い

【STEP4】守る

「不動産投資をすると、マイホームのローンが組めなくなると聞いたけど、本当ですか?」

このサイトに集まる読者の方から、最も多く届く質問のひとつがこれです。不動産投資に興味を持ち始めたサラリーマンが、必ず一度はぶつかる壁——それが「与信の問題」です。

結論から言うと、「不動産投資をしたら絶対にマイホームが買えなくなる」は噓です。しかし「順番と設計を間違えると、取り返しのつかないことになる」は本当です。

私は2013年から不動産投資を始め、現在は仙台・甲府・松本など複数都市にまたがる38室、約2億円の負債を抱えながら鳥取から遠隔管理を続けています。スルガ銀行案件でリスケ(元金返済猶予)まで経験した私が言えることは、「サラリーマンの与信は、一度使い方を間違えると、二度と同じ形では戻ってこない」という事実です。

この記事では、不動産投資ローンと住宅ローンの審査上の関係を実務目線で整理し、あなたがどちらを先に動かすべきかの判断軸を提供します。「業者の言葉を鵜呑みにして後悔した」私の実体験と、13年間で見てきたサラリーマン投資家の失敗パターンを包み隠さずお伝えします。

なぜ「不動産投資でマイホームが買えなくなる」という話が広まったのか

この噂には「本当のこと」と「業者の都合」が混じっている

「不動産投資をするとマイホームが買えなくなる」という話は、完全なデマではありません。しかし同時に、この話を過度に強調する業者には、明確な営業上の動機があります。

「今すぐ買わないと与信が使えなくなる」「住宅ローンを先に組んだら投資物件が買えない」——こうした煽り文句は、焦りを生み出して意思決定を急がせるための常套手段です。私自身、不動産会社からそういった話を何度も聞きました。

逆に「住宅ローンを先に組んでから投資を」と主張する業者も存在します。どちらも一面の真実を含みながら、自社の利益に都合の良い方向へ誘導しているという点では同じ構造です。

では、実際のところどうなのか。まず仕組みを正確に理解しましょう。

与信枠とは何か——銀行があなたを「数字」で見る方法

銀行があなたに融資をする際、最も重視する指標のひとつが「返済負担率(返済比率)」です。

返済負担率(%)= 年間の全ローン返済額 ÷ 年収 × 100

一般的に返済比率の目安は30〜35%とされており、これを超えると家計への圧迫が懸念され、審査が通りにくくなります。

ここで重要なのが、「全ローン返済額」には、すでに組んでいる不動産投資ローンの返済額も含まれるという点です。

たとえばあなたの年収が700万円だとします。すでに投資ローンで年間300万円の返済をしている場合、計算上の返済負担率はすでに約43%。この状態で新たに住宅ローンを申し込もうとしても、返済比率が基準を超えているとして、審査に通らない可能性が出てきます。

これが「投資ローンがあるとマイホームが買えなくなる」と言われる、具体的なメカニズムです。

不動産投資ローンと住宅ローンの審査基準はどう違うのか

金利・返済期間・審査の「三重苦」の違い

両者の違いを整理すると、以下のようになります。

項目住宅ローン不動産投資ローン
金利変動0.3〜1.0%程度1.5〜4.5%程度
返済期間最長35年物件・築年数による(最長30年程度)
審査の主軸個人の属性・返済能力個人属性+物件の収益性・担保価値
融資上限年収の5〜8倍程度年収の10〜20倍程度

住宅ローンの金利が低く抑えられているのは、給与収入が安定した返済原資となるからです。一方で不動産投資ローンは事業性リスクを伴うため、金利は高めに設定されています。

私がスルガ銀行で引いた松本・甲府の物件ローンは、当初金利4.5%でした。交渉に交渉を重ねて3.1%まで下げましたが、それでも住宅ローンの変動金利と比べれば3倍以上の水準です。この金利差が毎月の返済額に与えるインパクトは、想像以上に大きいものがあります。

投資ローンの残債は住宅ローン審査でどう扱われるか

金融機関ごとに定められている収入に対するローンの総返済負担率は、不動産投資、住宅、マイカーなど、個人が契約しているすべてのローンを合わせて算出されます。

つまり、投資ローンの残債が大きければ大きいほど、住宅ローンの審査における「余力」は縮小します。これは単純な数学の話です。

ただし、ここに一つの重要な視点があります。投資ローンの返済原資は家賃収入であり、住宅ローンの返済原資は給与収入です。 金融機関によっては、家賃収入を「収入」として加算し、投資ローン返済を差し引いた「純収益」で判断するケースもあります。

つまり、「投資ローンを持っていること」自体が問題なのではなく、「物件のキャッシュフローが健全かどうか」が問われているのです。赤字物件を複数抱えた状態で住宅ローンを申し込めば、それは審査上、明らかな「マイナス」として映ります。

私の場合、スルガ銀行から2億円近い融資を引いた後に住宅ローンを申し込もうとしても、審査上の数字はかなり厳しい状況になっていたと思います。実際、自宅については現在も賃貸住まいのままです。「いつかマイホームを」と思いながら、その選択肢は実質的に狭まっていた——これが私の正直な現実です。

〈核心〉マイホームを先に買うべきか、投資物件を先に買うべきか

「マイホーム先行」派の論理と、その落とし穴

マイホームを先に買うことを勧める論者の主な理由は以下の3点です。

  • 投資ローンの年間返済額(複数物件あれば合計)
  • 住宅ローンの年間返済額(あれば)
  • カーローン・カードローン等の年間返済額

これらをすべて足した数字を年収で割る。一般的に35%を超えると審査上の圧迫が懸念されます。 もし現時点ですでに35%を超えているなら、新規の住宅ローンは相当厳しい状況と認識してください。

チェック②——保有物件のキャッシュフローを「実態ベース」で把握する

表面利回りや満室想定の数字は、銀行の審査でも、自分の資金計画でも、何の意味も持ちません

銀行が見るのは「実際に入ってくる家賃収入から、ローン返済・管理費・修繕費・固定資産税を引いた後にいくら残るか」です。

私の甲府の物件は、表面利回り10%超でした。しかし購入翌月に5室同時退去、その後も家賃を2〜3万円台まで下げて埋める状況が続き、実態の利回りは購入時の試算を大きく下回りました。「表面利回り」は業者が作る数字です。「実質手取りキャッシュフロー」こそが、あなたの与信を守るか食いつぶすかを決める数字です。

チェック③——団体信用生命保険(団信)の加入状況を確認する

与信の議論をするとき、見落とされがちな視点が団信です。

私は松本・甲府の物件、そして仙台の物件も含め、すべて団信に加入しています。万が一の際、ローン残債がゼロになり、物件がそのまま家族に残る——これは「与信の最終防衛ライン」とも言えます。

遍歴の中で正直に書きますが、2億円近い負債を抱えながら「団信だけが命綱だ」と感じた夜が何度もありました。団信なしで投資ローンを組むことは、愛する家族に借金を残して消えることと同義です。与信を使うなら、その与信には必ず団信という「保険」をセットしてください。

また、保有物件の火災保険についても同様です。私は松本・甲府の物件で風災や台風による、仙台の物件では地震による保険申請が通り、相応の保険金を受け取った経験があります。与信が使えなくなった局面での「保険金による資金繰り」は、実際に私のキャッシュフローを助けてくれました。火災保険の申請実務については、以下の記事で詳しく解説しています。

「修繕が必要な出来事が起きたとき、あなたは真っ先に管理会社に連絡しますか?その前に確認すべきことがあります。保険申請できるかどうか——この一問が、数十万円の手出しをゼロにする分岐点になった実体験を、以下で公開しています。」

火災保険は神!台風・風災で修繕費をゼロにする正当な申請技術

よくある質問(Q&A)

38室を経営する現役大家
Q
不動産投資ローンを組んでいても、住宅ローンは絶対に組めないのですか?
A

絶対に組めないわけではありません。重要なのは「返済負担率に余裕があるかどうか」と「保有物件のキャッシュフローが健全かどうか」の2点です。投資ローンを複数抱えていても、家賃収入が安定していて返済負担率が35%以内に収まっているなら、住宅ローン審査に通る可能性は十分あります。逆に、たとえ投資ローンが1本でも、物件が赤字体質で返済負担率が上限に近ければ、審査は厳しくなります。「投資ローンの有無」ではなく「数字の実態」で判断されると理解してください。

Q
マイホームと投資物件、どちらを先に買うべきですか?
A

「どちらが正解か」という問い自体を変えることをお勧めします。本当に先に決めるべきは「マイホームが自分の人生設計に必要かどうか」です。必要であれば、住宅ローンに使う与信枠を先に確保した上で、残りの枠で投資を設計する。必要でないと割り切れるなら、全与信を投資に振り向けることも一つの戦略です。ただし、投資先行で動く場合は「出口(売却)戦略が成立する物件しか買わない」という原則を絶対に守ってください。私のように出口を考えずに買い進めた結果、身動きが取れなくなるケースは珍しくありません。

Q
与信が尽きてしまった場合、もう不動産投資は続けられないのですか?
A

新規融資が引けなくなること自体は、必ずしも「詰み」ではありません。むしろ重要なのは、現在保有している物件のキャッシュフローを最大化し、手元資金を積み上げていくフェーズに切り替えることです。私自身、現在は新規購入よりも既存物件の収益改善・管理会社との関係強化・修繕費の計画的な積立に注力しています。また、法人化による融資枠の切り替えや、保有物件の売却による負債圧縮という選択肢もあります。与信の枯渇は「拡大の終わり」ですが、「事業の終わり」ではありません。

A. 絶対に組めないわけではありません。重要なのは「返済負担率に余裕があるかどうか」と「保有物件のキャッシュフローが健全かどうか」の2点です。投資ローンを複数抱えていても、家賃収入が安定していて返済負担率が35%以内に収まっているなら、住宅ローン審査に通る可能性は十分あります。逆に、たとえ投資ローンが1本でも、物件が赤字体質で返済負担率が上限に近ければ、審査は厳しくなります。「投資ローンの有無」ではなく「数字の実態」で判断されると理解してください。

A. 「どちらが正解か」という問い自体を変えることをお勧めします。本当に先に決めるべきは「マイホームが自分の人生設計に必要かどうか」です。必要であれば、住宅ローンに使う与信枠を先に確保した上で、残りの枠で投資を設計する。必要でないと割り切れるなら、全与信を投資に振り向けることも一つの戦略です。ただし、投資先行で動く場合は「出口(売却)戦略が成立する物件しか買わない」という原則を絶対に守ってください。私のように出口を考えずに買い進めた結果、身動きが取れなくなるケースは珍しくありません。

A. 新規融資が引けなくなること自体は、必ずしも「詰み」ではありません。むしろ重要なのは、現在保有している物件のキャッシュフローを最大化し、手元資金を積み上げていくフェーズに切り替えることです。私自身、現在は新規購入よりも既存物件の収益改善・管理会社との関係強化・修繕費の計画的な積立に注力しています。また、法人化による融資枠の切り替えや、保有物件の売却による負債圧縮という選択肢もあります。与信の枯渇は「拡大の終わり」ですが、「事業の終わり」ではありません。

マイホームと投資物件、どちらを先にするかは式の外側の話

ここまでの与信の話を、不動産投資の真実で書いた式に位置づけておきます。家賃+売値-経費>買値。住宅ローンとの両立問題は、実はこの式そのものとは関係がありません。式が成立するかどうかは物件ごとの買値・家賃・売値・経費で決まる話であり、マイホームとの両立は「その式が成立する物件を、そもそも買える与信枠が残っているか」という、式の外側にある配分の問題です。

どちらが正解かと聞かれることが多いのですが、式には「マイホーム」の項など元々ありません。与信をどう配分するかは経営判断であって、式の成否とは別の話です。

だからこそ、「マイホームが先か、投資が先か」を式の理屈で決めようとしても答えは出ません。先に投資を選べば、その分マイホームで組める住宅ローンの上限が下がります。先にマイホームを選べば、その分投資に回せる与信枠が下がります。どちらも与信という有限の資源をどこに配分するかの選択であり、優劣ではなく順番の問題です。判断軸にすべきは、式ではなく「今この与信枠を使うことで、成立する式の物件に手が届くかどうか」という一点だけです。

まとめ

「不動産投資をするとマイホームのローンが組めなくなる」——この噂は、半分本当で半分は業者の都合です。

この記事でお伝えしたことを整理します。

① 与信枠は「消耗品」です。 返済負担率という天井は、投資ローンと住宅ローンの合計で消費されます。無計画に投資を拡大すれば、住宅ローンの余地は自然と消えていきます。

② 問題は「投資ローンの有無」ではなく「物件の収益実態」です。 家賃収入がローン返済を上回り、キャッシュフローがプラスの物件を保有している投資家は、銀行から見ても「健全な借り手」です。赤字物件を抱えた状態で住宅ローンを申し込むことが問題なのです。

③ 順番より「出口」の設計が先です。 マイホームが先か投資が先かという議論の前に、「この物件を10年後にいくらで売れるか」が見えていなければ、どちらの順番で動いても与信は守れません。

私は13年間、この順番を間違えながら生き延びてきました。2億円の負債を抱え、スルガ銀行にリスケを申し入れ、地面すれすれを飛び続けながら今もこの事業を続けています。だからこそ言えます。与信は一度失うと、同じ形では戻ってきません。使う前に、設計してください。

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個別の対策を踏まえて、金利防衛の全体像に戻って確認しましょう。

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