日銀の利上げニュースを見るたびに、変動金利でローンを組んでいる大家はこう思うはずです。「このまま変動でいいのか、固定に切り替えるべきか」。
私はスルガ銀行の変動金利で、松本と甲府の物件を当初金利4.5%で借り、13年間サバイバーしてきました。キャッシュフローが回らなくなって元金返済を1年間止めてもらったこともあります。その経験から、この記事では「変動のまま戦うか、固定に切り替えるか」の判断に絞ってお答えします。

先に結論を言うと、私は固定に切り替えませんでした。ですがそれは「変動が安全だから」ではありません。自分の物件では切り替えが割に合わなかったからです。その判断の仕方を全部書きます。
なお「金利が1%2%上がると返済がいくら増えるか」「最悪どこまで悪化するか」のシミュレーションは、別記事で詳しく解説しています。数字で怖さを掴んでから戻ってくると、この記事の判断がより腹落ちします。

変動金利と固定金利、そもそもどっちが有利なのか

大前提として、変動金利は「今が安い代わりに将来のリスクを自分で負う」、固定金利は「今は割高な代わりに将来の安心を金で買う」——この関係です。どちらが正解かは、金利がこの先どう動くかと、あなたがリスクをどれだけ抱えられるかで変わります。
- 変動金利:目先の金利が低くCFが出やすい。ただし上昇局面では返済増を直撃で受ける
- 固定金利:金利は高めだが、期間中の返済額が確定する。上昇局面でも影響を受けない
つまり「変動 vs 固定」は損得の問題である前に、金利上昇のリスクを、自分で抱えるか・保険料を払って手放すかという選択です。
変動のまま戦うなら——私の「繰り上げ返済プール術」

固定に切り替えず変動のまま持つと決めたなら、金利上昇に耐える現金バッファーを自前で用意する必要があります。私が実際にやっているのがこれです。
やり方はシンプルで、毎月の家賃収入から一定額を「繰り上げ返済用の別口座」に貯める。そして金利が上がって返済がきつくなったら、その原資で繰り上げ返済して残債を圧縮し、返済額を下げる。「上がったら、その分だけ元本を減らして相殺する」という考え方です。
繰り上げ返済か、現金保有か——私の判断基準
ただし、貯めた現金をすぐ繰り上げ返済に回すかは別問題です。私の基準は「手元に最低◯ヶ月分の運転資金を残せるか」。設備が一斉に壊れたり空室が続いたりする”まさか”に備える現金を削ってまで繰り上げ返済はしません。
私のキャッシュフローはずっと低空飛行です。だからこそ、この現金バッファーが命綱でした。

繰り上げ返済は「攻めの金利対策」、現金保有は「守りの金利対策」。どちらも必要です。片方に全張りすると、まさかの時に詰みます。
固定金利に切り替えるべきか——判断の3チェックポイント

「怖いから固定にする」は、実は判断になっていません。切り替えにはコストがかかるので、感情でなく数字で決めます。チェックすべきは3点です。
なぜ固定に切り替えなかったか。切り替えコストを払うより、目の前のキャッシュフローを繋ぐことのほうが、当時の私には切実だったからです。固定で将来の安心を買う前に、今日を生き延びる必要があった。

教科書的には「金利上昇局面は固定が安心」です。ですが現実は、切り替えコストすら惜しい低空飛行のこともあります。だから交渉と据え置きで粘りました。これも一つの答えです。
ちなみに、そもそも金利が高すぎる物件を掴まないことが最大の防御です。私は西宮の新築アパート(8,000万・6室・フルローン)に手を出しかけて、本能的に危険を感じて踏みとどまりました。あれを契約していたら、金利以前に詰んでいたはずです。
借り換えそのものを検討したい場合は、閾値や諦め時をこちらにまとめています。

変動 vs 固定 判断フロー——あなたはどっち
最後に、判断を1本の流れに落とします。
- 変動=リスクを自分で負う / 固定=保険料を払って手放す。どっちが正解かは物件の耐久力次第
- 変動で戦うなら繰り上げ返済プール+現金保有の二枚看板
- 固定切り替えはコスト・残存期間・CF耐性の3点で数字で判断。感情で決めない
- 私は固定に切り替えず、金利交渉(4.5→3.1%)と元金1年据え置きで乗り切った。低空飛行なりの現実解

金利上昇は「覚悟していた人」だけが乗り越えられます。変動でも固定でも、先に自分の物件がどこまで耐えるかを知っておいてください。それが全部の出発点です。
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