大家を13年やっていると、「賃料保証」の4文字には身構えます。レオパレスやかぼちゃの馬車で何が起きたか、この業界にいれば嫌でも耳に入るからです。
だからFUNDROPがその言葉を掲げているのを見たとき、正直、また同じやつかと思いました。1万円から出せる小口の投資に、なぜ「保証」が要るのか。
結論を先に言います。FUNDROPの「賃料保証」は、大家の世界でいうサブリースと同じ仕組みで、そして元本保証ではありません。
「じゃあ危ないってこと?」と思った方。そこが逆なんです。
言葉の中身さえ分かってしまえば、劣後出資比率20〜30%という、業界のなかではむしろ手堅い設計が見えてきます。危ないのは商品ではなく、「保証」の2文字だけが一人歩きしている状態のほうです。
この記事では、その2文字を分解します。
先に言っておくと、私はFUNDROPの出資者ではありません。この記事は投資レポートではなく、公開情報と13年・38室を経営してきた実務者としての視点を突き合わせた検証記事です。
結論を先に:怪しくはない。ただし「賃料保証」の言葉の意味を正確に理解する
- 運営会社(ONE DROP INVESTMENT株式会社)は実在し、13年前後の運営実績も確認できた
- 「賃料保証」はマスターリース契約による賃料の安定化であり、投資元本の保証ではない
- 劣後出資比率は20〜30%と、同業他社(10%台のところもある)と比べて緩衝材が厚めに設計されている
そもそも何をするサービスなのか
FUNDROPは、不動産特定共同事業法(不特法)に基づく不動産クラウドファンディングです。運営会社が選んだ居住用賃貸物件を、複数の投資家が少額から出資して運用します。
- 最低出資額——1万円から
- 想定利回り——ファンドにより5.5〜8%程度
- 運用期間——6〜7ヶ月程度と、比較的短期のファンドが多い
- 優先劣後方式——劣後出資比率20〜30%が中心(過去には第2号ファンドのように60%という特に高いケースもある)
居住用の賃貸住宅を中心に扱っている点と、運用期間が短めに設計されている点が特徴です。
「賃料保証」の中身を正確に見る
ここが今回の核心です。「賃料保証」とは、マスターリース契約(一括借り上げ契約)によって、空室が出ても運用期間中は一定の賃料が入る仕組みのことです。
大家業をやったことがある人なら、ピンとくるでしょう。これは仕組みとしてはサブリースと同じですが、レオパレスの家賃減額問題に代表される借主保護の話ではなく、あくまでファンドの分配原資を安定させる仕組みです。物件を借り上げる側が空室リスクを引き受け、貸主(この場合はファンド)には一定額を払い続ける契約です。

「保証」という言葉、サブリースの世界だと結構危険信号のこともありますが、ここで言っているのは「ファンドの分配金の原資を安定させる」という意味です。あなたの元本を保証するという話とは別物です。
公式にもちゃんと「元本は保証されない」と書いてあります。市場の変動や災害、運用損失で元本が減ることはあります。言葉の響きに引っ張られないでください。
つまり「賃料保証」は分配金の”元手”を安定させる工夫であって、投資家に戻ってくる金額そのものの保証ではありません。この2つを混同すると、リスクを読み違えます。
運営会社の実在を確認する
| 会社名 | ONE DROP INVESTMENT株式会社 |
| 法人番号 | 8010401103566 |
| 本店所在地 | 神奈川県横浜市中区本町3丁目24-1 本町中央ビル |
| 設立 | 2013年1月4日 |
| 資本金 | 1億円 |
| 代表者 | 井筒秀樹 |
| 宅建業免許 | 神奈川県知事(1)第33146号 |
| 不動産特定共同事業許可 | 神奈川県知事第28号 |
2013年設立で13年前後の運営歴があります。免許番号のカッコが(1)なのは、2020年に「パシフィック・インベストメント・アドバイザーズ株式会社」から現社名へ変更した際、免許を再取得したためと推測されます(公式な説明は確認できていません)。社名は変わっていますが、法人としての実績自体はそれ以前から続いています。
トモタクと比べてみる
同じ不動産クラウドファンディングとして、以前トモタクを検証した記事を書きました。並べてみると、設計の違いがはっきりします。
| FUNDROP | トモタク | |
|---|---|---|
| 想定利回り | 5.5〜8%程度 | 想定6〜10%程度(平均6.97%) |
| 運用期間 | 6〜7ヶ月程度 | 平均11.9ヶ月 |
| 劣後出資比率 | 20〜30%程度 | 10%程度 |
| 特色 | マスターリースによる賃料安定 | 物件の買値は運営会社が事前決定(選べない) |
FUNDROPは利回りをやや抑える代わりに、劣後出資比率を厚めに取り、運用期間も短めにする設計です。トモタクが利回り重視なら、FUNDROPは安全性重視、というのが実際の数字から見えるすみ分けです。
評価が分かれるポイントと、その理由
- 劣後出資比率が高めで安心感がある
- 運用期間が短く資金拘束が短め
- 居住用中心で値動きが読みやすい
- 「賃料保証」の言葉が誤解を招きやすい
- 利回りはトモタク等と比べると控えめ
- 劣後出資比率はファンドごとに差がある(12〜60%)
ここに挙げた「気になる声」は、私が調べた限りどれも事実です。ただし、3つとも、意味を知ってしまえば避けられる種類の不満でもあります。
「賃料保証」の誤解——これは言葉が悪いだけで、中身はマスターリース契約による賃料の安定化です。元本保証ではないと分かったうえで使う人にとっては、そもそも不満になりません。
利回りが控えめ——これは劣後出資比率を厚く取っていることの裏返しです。運営会社が先に損を被る幅が広いぶん、投資家に回る利回りは薄くなる。安全性と利回りを同時に取ることはできません。
比率のばらつき——各ファンドページに記載があるので、応募前に見れば済む話です。逆に言えば、確認する人だけが厚い比率のファンドを選べます。
向いている人・向いていない人
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
| 利回りより元本の安全性を優先したい人 | 「賃料保証」を元本保証と同じ意味だと誤解している人 |
| 短期間で資金を回転させたい人 | できるだけ高い利回りを狙いたい人 |
| 複数のクラファンを比較検討している人 | 劣後出資比率をファンドごとに確認する手間を惜しむ人 |
📌 登録した時点では、まだ何も決めなくていい
不動産クラウドファンディングは、会員登録の時点で出資義務は発生しません。ファンドごとに応募するかどうかを選ぶ仕組みなので、まず登録して各ファンドの劣後出資比率と運用期間を実際に見てから、出資するかを判断できます。比率は20〜30%が中心ですが、過去には60%という特に高いケースもありました。
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よくある質問

- Q「賃料保証」があるなら元本割れはしませんか?
- A
元本割れしないとは言い切れません。公式サイトにも、市場の変動・災害・運用損失によって元本が減る可能性があると明記されています。「賃料保証」は運用期間中の賃料収入を安定させる仕組みであり、元本そのものの保証ではない点を理解しておいてください。
- Qトモタクとどちらを選ぶべきですか?
- A
利回りを重視するならトモタク、劣後出資比率の厚さや運用期間の短さなど安全性を重視するならFUNDROPが向いています。どちらか一方に絞らず、両方に少額ずつ分散するのも1つの考え方です。
- Q分配金は税金上どう扱われますか?
- A
匿名組合出資の分配金は原則として雑所得に区分され、支払時に源泉徴収(20.42%)されたうえで振り込まれます。確定申告で他の所得と合算して精算する必要があるため、事前に税務上の扱いを確認しておくことをおすすめします。
まとめ
FUNDROPは実在する運営会社が13年前後運営してきた不動産クラウドファンディングで、劣後出資比率を厚めに取った手堅い設計は本当です。
ただし、「賃料保証」は元本保証ではありません。言葉の響きに引っ張られず、劣後出資比率や運用期間をファンドごとに確認したうえで判断してください。
登録しても、出資するかどうかは後で決められます。まずは条件を見るところまで動けばいい。
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判断基準になる記事
この記事はあくまで一つの実例です。提示された数字をそのまま信じず、自分の手で収支を検算できるようになっておきましょう。


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