通帳の残高を見て、「これくらいあれば安心」と、なんとなく思っていませんか。
- 手元にいくら残しておけば安全なのか、具体的な目安を知らない
- 戸数や築年数によって必要な金額が変わることを考えたことがない
- 「多ければ多いほどいい」としか思っていない
ところが、必要な現金の額は、なんとなくの感覚ではなく、戸数と築年数から具体的に出せます。
私も最初の頃は感覚で現金を残していただけで、正直、実際に複数のトラブルが重なったとき、足りるかどうか冷や汗をかいた経験があります。
鳥取に住みながら会社員を続けて13年、いまは3棟38室・借入2億円超です。
この記事では、必要な手元現金の下限を、戸数と築年数から出す方法を解説します。
計算方法さえ分かれば、感覚に頼る必要はありません。
駅前の銀行の窓口で相談するときも、この計算式があると話が早いです。
読み終える頃には、自分の物件にいくらの現金を備えておくべきか、具体的な数字で言えるようになります。
結論からお伝えします。必要な現金は、戸数×一定額に、築年数による割り増しを加えて計算するのです。
感覚ではなく、計算式で決めてください。
結論:戸数×一定額+築年数の割り増しで計算します
順番を間違える人が多いので、先に結論から言うと、計算の軸は2つです。
- 戸数:1戸あたり、いくらの予備のお金を見込むか
- 築年数:古い物件ほど、修繕のリスクが上がる分を割り増しする
この2つを電卓で掛け合わせるだけで、感覚に頼らない下限が出せるのです。
計算式さえ持てば、迷わなくなります。
戸数から出す基本額
基本の目安は、1戸あたり20万円から30万円くらいです。
これは、急な修繕や、1〜2か月の空室が同時に来ても耐えられる水準です。
| 戸数 | 1戸あたり20万円 | 1戸あたり30万円 |
|---|---|---|
| 5戸 | 100万円 | 150万円 |
| 10戸 | 200万円 | 300万円 |
| 20戸 | 400万円 | 600万円 |
戸数が増えるほど、同時に複数のトラブルが起きる確率も上がります。この表を、自分の物件の戸数に当てはめてみるだけです。
まずは、この基本額から始めることです。
この金額には、固定資産税は入っていません。固定資産税は年に一度、まとめて届くので、別に用意しておいてください。
誰にでもできます。
たし算とかけ算だけです。
築年数による割り増し
建物が古い物件ほど、修繕の回数とお金が増えやすくなります。
基本額に、築年数に応じた割り増しを加えてください。
- 築10年未満:基本額のまま。割り増しはいりません
- 築10〜20年:基本額の1.3倍くらいが目安です
- 築20年以上:基本額の1.5〜2倍くらいが目安です
築古の物件を検討しているなら、購入前にこの割り増し後の金額を確保できるか、
必ず確認してください。物件価格の安さだけで判断すると、あとで現金が足りなくなります。
業者が契約を急かす態度を見せても、この確認を飛ばす必要はありません。納得できるまで、契約は待ってもらって構いません。

築古は利回りが高く見えて魅力的ですが、修繕の予備費まで含めて計算すると、印象が変わることがあります。電卓を叩いてから判断してください。
複数棟を持つ場合の考え方
複数の棟を持つ場合、単純に戸数を足し算して計算して問題ありません。ただし、棟ごとに築年数が違うなら、棟別に計算してから合わせてください。
全ての棟の現金を1つの財布で管理していると、
どの棟のためにいくら確保しているのか分からなくなりがちです。棟ごとに目安額を意識しておいてください。
棟ごとに、財布を分けて考えることです。混ぜてしまうと、見えなくなります。
感覚で残していた頃の私の話
複数棟を持つようになった当初、私は「なんとなく多め」という感覚だけで現金を残していました。はっきりした計算式は持っていませんでした。
ある時期、複数の物件で修繕と空室が同時に重なり、通帳を見るたびに手元の現金がどこまで持つのか不安になったことがあります。感覚に頼っていたことの危うさを、身をもって痛感しました。
この経験から、今では戸数と築年数から具体的な金額を計算し、常にその水準を下回らないように管理しています。計算式があるだけで、不安の質がまったく違います。
感覚ではなく、計算式を持つことです。
式さえあれば、迷いません。
あとは、当てはめるだけです。
次に読む記事
必要な現金の下限が分かったら、まず次は「税金で手残りを減らさない」ための大家の税務の型を確認してください。

コメント