物件を買う話ばかりが先行して、やめるときの話を考えたことはありますか。
- うまくいかなくなったとき、どこで見切りをつければいいのか分からない
- ズルズルと続けて、傷を深くしてしまうのではないかと不安
- 撤退という言葉自体を、考えたくない
ところが、撤退ラインを買う前に決めておかないと、実際に苦しくなったとき、正常な判断ができなくなります。
私自身、事前に線を引いていなかったせいで、判断が遅れて口座残高がマイナス寸前まで追い込まれ、正直、冷や汗をかいた経験があります。
鳥取に住みながら会社員を続けて13年、いまは3棟38室・借入2億円超です。
この記事では、買う前に決めておくべき撤退ラインの作り方を解説します。
先に線を引いておけば、いざというとき迷わずに動けるのです。
読み終える頃には、自分の「ここまで」という基準を、数字で言えるようになります。
結論からお伝えします。撤退ラインは、現金残高・連続赤字月数・売却の実行条件、この3つを先に文章にしておくのです。
買った後に考えるのでは、もう遅いです。
結論:3つを、買う前に文章にしておきます
順番を間違える人が多いので、先に結論から言うと、決めておくべきことは3つです。
- 現金残高:ここを下回ったら動く、という金額の下限
- 連続赤字月数:何か月連続で赤字が続いたら見直すか
- 売却の実行条件:どの条件が揃ったら、実際に売却へ動くか
この3つを、頭の中だけでなく、実際に文章にして残しておいてください。
紙一枚で十分です。書いておくだけで、迷いは減ります。
現金残高|ここを下回ったら動く金額
まず、通帳の現金残高が、いくらを下回ったら本格的に動き出すかを決めます。
この金額は、ゼロに近づいてから決めるものではありません。まだ余裕があるうちに、冷静な頭で決めておくものです。

口座の残高を見て、初めて焦って考え始めるのでは遅すぎます。余裕があるうちに「ここまで減ったら動く」と決めておいてください。追い込まれてからの判断は、たいてい間違えます。
余裕のあるうちに、線を引いておくことです。
焦る前に決めておくのです。
連続赤字月数|何か月まで許容するか
次に、何か月連続で赤字が続いたら、運営方法を見直すかを決めます。
単月の赤字は珍しくありません。
連続する赤字には、必ず理由があります。
- 3か月連続なら、募集条件や管理会社の対応を見直す
- 6か月連続なら、物件そのものの収益構造を疑う
- 1年連続なら、保有を続けるかどうかを本格的に検討する
赤字の理由を確認せずに、家賃を下げるだけで対応しないでください。
根本の原因を放置したまま値下げを繰り返すと、赤字の期間が長引くだけです。
管理会社から値下げを急かす提案が来ても、原因を確かめる前に決める必要はありません。納得できなければ断ればいいだけです。
原因を確かめてから動くことです。
順番を間違えないでください。
値下げは最後の手段です。順番が大事です。
売却の実行条件|どうなったら実際に動くか
最後に、どの条件が揃ったら、実際に売却へ向けて動き出すかを決めます。
ここが最後の砦です。
先に決めておいてください。
- 現金残高が、先に決めた下限を下回った
- 連続赤字が、先に決めた月数を超えた
- 大規模修繕が迫っていて、その費用を賄えない見通しが立った
この条件を先に決めておけば、実際にその状況になったとき、電卓を叩いて確認するだけで、悩まずに次の行動へ移れます。
悩む時間を、あらかじめ削っておくのです。
迷う暇はいりません。
すでに答えは出ています。
線を引いていなかった私の話
甲府の物件を購入した当初、私は撤退ラインを何も決めていませんでした。5室が同時に退去したとき、電話が鳴るたびに身構えるようになり、現金がどこまで減れば動くべきかの基準がなく、対応が後手に回りました。
気づけば口座残高がマイナス100万円に達し、銀行に頭を下げて元金の返済を1年間止めてもらうという、綱渡りの交渉をすることになりました。
この経験から、今では新しい物件を買うたびに、必ず現金残高・連続赤字月数・売却条件の3つを、購入前に紙に書き出すようにしています。線があるだけで、判断の速さがまるで違います。
撤退ラインは、弱気の証拠ではありません。事業を長く続けるための、冷静な準備です。
弱さではなく、備えです。
備えは恥ではありません。誇っていいのです。
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買う基準とやめる基準が決まったら、まず次は「家族の合意」を取る段階です。数字で示せる準備ができていれば、この話し合いもぐっと進めやすくなります。

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