「利回り15%!月々のキャッシュフローも安定!」
そんな業者の言葉に胸が高鳴り、初めての不動産投資へと踏み出した。しかし蓋を開けてみると、手元に残るお金は計算とはまるで別物——。
これは、私自身が最初に購入した学生向け区分マンションで経験した、苦い現実です。
表面利回り15%という数字に目を奪われ、管理組合への積立金、専有部分の修繕費積立、管理業務委託料、仲介手数料……次々と引かれていく費用の前に、実質利回りは6〜7%、最悪の月は5%台まで落ち込みました。**「これなら株を買った方がましだ」**と、青ざめながら電卓を叩いたことを今でも鮮明に覚えています。
投資において、「表面利回り」はあくまで参考値に過ぎません。それを投資判断の軸に据えた瞬間、あなたのキャッシュフローは静かに、しかし確実に蝕まれていきます。
この記事では、13年・38部屋・2億円の負債を抱えながら地方遠隔管理を生き抜いてきた私が、以下の3点を徹底的に解説します。
- 表面利回り・実質利回り・返済後キャッシュフローの「本当の違い」
- 業者が絶対に教えてくれない「NOI(営業純利益)」の読み方
- 私が13年かけて血を流しながら辿り着いた「投資基準の数字」
業者の提案書に書かれた利回りを、そのまま信じてはいけません。この記事を読み終える頃には、あなたは自分の手で「本当の手残り」を計算できるようになっているはずです。
「利回り10%超の広告」に飛びついて後悔する前に

業者チラシの「表面利回り」は何を計算しているのか
不動産投資の物件広告を見ると、必ずといっていいほど「利回り〇%」という数字が目に飛び込んできます。しかしその数字、一体何を根拠に弾き出されているかご存じでしょうか。
表面利回りの計算式は、非常にシンプルです。
表面利回り(%)= 年間賃料収入 ÷ 物件購入価格 × 100
たとえば、購入価格2,000万円の物件が月10万円の賃料を生むなら、年間賃料収入は120万円。表面利回りは6%です。
一見わかりやすいこの計算式には、しかし致命的な欠陥が2つあります。
ひとつは、「満室」を前提にしていること。空室が発生した月の賃料収入はゼロですが、表面利回りの計算にその現実は一切反映されません。
もうひとつは、「経費ゼロ」を前提にしていること。管理費・修繕積立金・固定資産税・火災保険料・管理委託料——これらの費用は、物件を保有する限り毎月・毎年必ずかかり続けます。しかし表面利回りは、それらをすべて「ないもの」として計算されているのです。
なぜ表面利回りだけを信じると危険なのか——無視されている”コスト”の正体
私が最初に購入した学生向け区分マンションの実例で説明します。
業者が提示した表面利回りは15%。当時の私には、この数字が非常に魅力的に映りました。しかし実際に物件を保有してみると、以下のようなコストが次々と牙を剥いてきました。
- 管理組合への修繕積立金(複数名目で徴収される)
- 専有部分の修繕費積立
- 管理業務委託料(賃料の5〜10%)
- 入退去時の仲介手数料
- 固定資産税・都市計画税
- 空室期間の賃料収入ゼロ
これらを積み上げると、手元に残る利回りは実質6〜7%、ひどい月は5%台にまで落ち込みました。区分マンションの場合、管理組合の決定事項には基本的に従うしかなく、コスト削減の余地もほとんどありません。
「これなら株式インデックス投資の方がましだ」——その言葉が頭をよぎった瞬間の絶望感は、13年経った今でも忘れられません。
「利回り10%以上の物件」に飛びつきそうになったら、まず立ち止まれ
高利回り物件には、必ず「高利回りになっている理由」が存在します。
- 築古ゆえの大規模修繕リスク
- 過疎化が進むエリアの慢性的な空室リスク
- 前オーナーが売却前に一時的に満室にした可能性
実際、私が購入した甲府市の物件では、購入直後に4室が一斉に退去するという事態が発生しました。今となっては、売却に備えて一時的に満室状態を作り出す「出口操作」の可能性も否定できません。金額が大きければ大きいほど、この種のリスクには細心の注意が必要です。
表面利回りが高い物件ほど、「なぜこんなに高いのか」を疑う姿勢こそが、あなたの資産を守る最初の防衛線です。
表面・実質・返済後(キャッシュフロー)の違いを完全理解する

【図解】3つの利回りの計算式を並べて比較する
不動産投資の「利回り」には、大きく3つの段階があります。この3つを正確に理解することが、投資判断の出発点です。
| 利回りの種類 | 計算式 | 何を示すか |
|---|---|---|
| 表面利回り | 年間賃料収入 ÷ 購入価格 × 100 | 経費・空室を無視した「最大値」 |
| 実質利回り | (年間賃料収入 − 年間経費) ÷ 購入価格 × 100 | 経費控除後の「運用利回り」 |
| 返済後CF利回り | (年間賃料収入 − 年間経費 − 年間返済額) ÷ 購入価格 × 100 | 実際に手元に残る「真の利回り」 |
業者が提示するのは、ほぼ例外なく一番上の表面利回りです。しかし投資家として本当に見なければならないのは、一番下の返済後キャッシュフロー利回りです。
実質利回りで何が変わるのか——控除される費用の一覧
実質利回りを計算する際に控除すべき主な経費は以下の通りです。
- 管理委託料:賃料収入の5〜10%程度
- 修繕積立金:月額数千円〜数万円(築年数・規模による)
- 固定資産税・都市計画税:年間数十万円規模
- 火災保険料・地震保険料:年間数万円
- 入退去時費用:原状回復工事費、仲介手数料など
- 空室損失:想定空室率を加味した賃料収入の減額
この中でも特に見落としがちで、かつ影響が大きいのが「空室損失」です。
私の13年の経験から言えば、2〜3月の繁忙期を過ぎると入居者の動きは驚くほど止まります。次の動きは9〜10月のミニ繁忙期ですが、これは2〜3月と比べると成約数は3分の1程度のイメージです。
つまり、春の繁忙期に空室を埋められなかった場合、半年近く空室が続くリスクが現実として存在します。表面利回りの計算では「年間を通じて満室」を前提にしていますが、これは現実からかけ離れた楽観的な仮定に過ぎません。
返済後キャッシュフローこそ「手残り」の真実
最終的に投資判断の軸に置くべきは、ローン返済後に手元に残るキャッシュフローです。
返済後CF = 年間賃料収入 − 年間経費 − 年間ローン返済額
この数字がマイナスになっている物件を「毎月お金を持ち出しながら保有している」ということになります。いくら「将来的な資産価値」を期待しても、毎月の持ち出しが続く物件は、サラリーマン投資家にとって致命的なリスク要因となります。
返済後キャッシュフローがプラスであること——これが不動産投資における「生存条件」です。この条件を満たさない物件は、どんなに利回りが高く見えても買ってはいけません。
【エリア・築年数別】実質利回りの目安一覧

仙台・甲府・松本——地方都市投資の実態利回り
私は現在、仙台・甲府・松本など複数の地方都市で物件を保有・遠隔管理しています。各エリアの肌感覚として、購入を検討するに値する表面利回りの目安は10〜12%以上です。
なぜこれほど高い水準を求めるのか。理由は明確です。
地方都市は都市部に比べて賃貸需要の絶対数が少なく、空室リスクが高いです。また、築古物件が中心となるため、突発的な修繕費が発生しやすいという特性もあります。表面10〜12%という数字は、これらのリスクを織り込んだ上で、最終的に返済後キャッシュフローをプラスに保つための「逆算の基準値」なのです。
その上で、頭金をどれだけ入れられるかを加味して返済後CFを確認するというのが、私の物件判断の実際の手順です。利回りだけで判断するのではなく、「自己資金の投入量」と「返済後CF」の掛け合わせで最終判断を下します。
「最低でも返済後利回り7〜8%以上」を死守すべき理由
私が長年の経験から辿り着いた、個人的な投資基準があります。
実質利回り(返済前)の前提で7〜8%以上を確保できない物件には手を出さない。
この数字の根拠はシンプルです。7〜8%を下回る水準は、株式インデックス投資でも実現可能なリターンと同等かそれ以下になってくるからです。
不動産投資は、株式投資と違って「管理の手間」「修繕リスク」「空室リスク」「流動性の低さ」という多大なコストとリスクを伴います。それだけのコストを負担してもなお、株式投資を上回るリターンを得られなければ、不動産投資をやる合理的な理由がありません。
「不動産だから安心」という思い込みを捨ててください。リターンの水準が株式投資以下であれば、リスクとリターンのバランスは株式の方が圧倒的に有利です。
築年数が上がるほど利回りは高く見える——その罠のカラクリ
築古物件ほど表面利回りが高く表示される傾向があります。これは物件価格が下がる一方で、賃料はそこまで下がらないためです。しかし高い表面利回りの裏には、比例して高まる修繕リスクが隠れています。
特に築20〜30年を超える物件では、屋根・外壁・給排水管・電気設備などの大規模修繕が差し迫っている可能性があります。これらの費用は数百万円単位になることもあり、表面利回りの高さを一瞬で吹き飛ばします。
利回りと築年数はセットで評価する——これが、経験から学んだ鉄則です。
【図解】本当の稼ぐ力を示す「NOI(営業純利益)」とは

NOIの計算式と「表面利回りとの決定的な差」
不動産投資の世界で、プロの投資家や金融機関が物件の収益力を評価する際に使う指標があります。それがNOI(Net Operating Income=営業純利益)です。
計算式はこうです。
NOI = 年間賃料収入(満室想定)× (1 − 空室率) − 年間運営費用
表面利回りとの決定的な違いは、「空室損失」と「運営費用」を両方織り込んでいる点です。
| 指標 | 空室損失 | 運営費用 | ローン返済 |
|---|---|---|---|
| 表面利回り | 無視 | 無視 | 無視 |
| 実質利回り | 無視 | 控除 | 無視 |
| NOI利回り | 控除 | 控除 | 無視 |
| 返済後CF | 控除 | 控除 | 控除 |
NOIはローン返済前の指標ですが、「その物件が純粋にどれだけの収益を生む力を持っているか」を示す、最も本質的な数値です。ローン条件(借入額・金利・返済期間)は投資家によって異なりますが、NOIは物件固有の実力を示すため、物件同士を公平に比較する際にも非常に有効です。
NOIを使った収支シミュレーション——実際の物件で検証する
では、具体的な数字で検証してみましょう。
【モデルケース:地方都市・築20年・一棟アパート8室】
| 項目 | 業者提示(表面) | NOIベースの現実 |
|---|---|---|
| 満室想定年間賃料 | 960万円 | 960万円 |
| 空室損失(空室率15%想定) | 計上なし | ▲144万円 |
| 管理委託料(賃料の7%) | 計上なし | ▲67万円 |
| 修繕費・修繕積立 | 計上なし | ▲60万円 |
| 固定資産税・保険料 | 計上なし | ▲30万円 |
| NOI(年間) | 960万円 | 659万円 |
| 物件購入価格 | 8,000万円 | 8,000万円 |
| 利回り | 表面12% | NOI利回り8.2% |
業者が提示する「表面利回り12%」という数字が、現実にはNOIベースで8.2%まで下がることがわかります。さらにここからローン返済が引かれれば、返済後キャッシュフローはさらに圧縮されます。
「表面12%」と「NOI8.2%」——この約4ポイントの差が、毎月のキャッシュフローを黒字にするか赤字にするかの分岐点になります。
業者がNOIを使わない本当の理由
ここで一つ、根本的な疑問が生じます。NOIがこれほど重要な指標であるなら、なぜ業者は物件提案時にNOIを使わないのでしょうか。
答えは単純です。NOIを使って計算すると、物件の魅力が大幅に低下するからです。
業者にとっての最優先事項は「物件を売ること」です。表面利回りという、経費も空室も無視した最大値の数字を提示することで、投資家の購買意欲を最大化する——これが、業者が長年使い続けてきた「利回りの見せ方のトリック」の正体です。
さらに悪質なケースでは、売却前に意図的に満室状態を作り出し、その満室賃料を前提に表面利回りを計算して提示するという手口も存在します。私自身、甲府市で購入した物件で、購入直後に4室が一斉退去するという経験をしています。当時は偶然の可能性も否定できませんでしたが、今となっては「売却前の満室操作」という可能性も頭をよぎります。
このような手口から身を守る方法の一つが、購入前に対象物件の賃貸サイトで空室状況を自分でチェックすること、あるいは「入居検討者」のていで管理会社に電話して空室確認をすることです。業者資料の数字を鵜呑みにせず、自分の足と目で現実を確かめる姿勢が不可欠です。
こうした「業者の提案を第三者的な視点で客観評価する方法」については、以下の記事で詳しく解説しています。物件購入の意思決定前に、必ず一度目を通しておくことをお勧めします。
「正直、業者に言われるまま検討を進めていた初期の自分を、今の自分が見たら止めに入ると思います。あの頃もし第三者の視点を持ち込んでいれば、甲府の物件購入後に4室が一斉退去するあの悪夢は、あるいは防げたかもしれません。だからこそ、これを読んでいるあなたには同じ轍を踏んでほしくない。業者と対等に渡り合うための”もう一人の目”の使い方を、以下の記事で具体的に解説しています。」
【内部リンク挿入:ID4「不動産投資 セカンドオピニオン——業者の買いを見抜く術」】
利回り・手残りの計算を自分でできるようにするための実践ステップ

今すぐ使える!NOIベース収支計算の5ステップ
難しく考える必要はありません。以下の5ステップを順番に踏むだけで、どんな物件でもNOIベースの収支を自分で計算できるようになります。
STEP1|満室想定の年間賃料収入を確認する 業者資料に記載された「満室時年間賃料」を確認します。ただしこの段階では、まだ鵜呑みにしないでください。
STEP2|空室率を現実的に見積もる 業者は多くの場合、空室率を5%以下に設定しています。しかし地方都市・築古物件では15〜20%を想定するのが現実的です。繁忙期(2〜3月)を逃した物件は、次の動きが9〜10月まで止まることもあります。現地の賃貸サイトや管理会社への確認で、エリアの空室実態を把握しましょう。
STEP3|運営費用を積み上げる 以下の費用を一つひとつ積み上げてください。
- 管理委託料(賃料収入の5〜10%)
- 修繕費・修繕積立金(年間賃料収入の10〜15%を目安に)
- 固定資産税・都市計画税(売主や税務署で確認可能)
- 火災・地震保険料
- その他(入退去時の仲介手数料、清掃費など)
STEP4|NOIを計算する
NOI = (満室賃料 × (1−空室率)) − 運営費用合計
STEP5|返済後キャッシュフローを確認する
返済後CF = NOI − 年間ローン返済額
この返済後CFが年間を通じてプラスであること、かつ突発的な修繕が発生しても持ちこたえられる手元資金があること——この2点が、購入判断の最低条件です。
業者資料に記載されていない”隠れコスト”チェックリスト
業者が提示する収支シミュレーションには、意図的かどうかに関わらず、以下のコストが「抜け落ちている」ことが非常に多いです。物件検討時には必ずこのリストで確認してください。
- 空室損失(満室想定になっていないか)
- 原状回復費・リフォーム費(退去時に発生する費用)
- 入居付け仲介手数料(AD=広告料が必要なエリアは特に注意)
- 大規模修繕の積立(屋根・外壁・給排水管など)
- 管理組合費・修繕積立金(区分所有の場合、複数名目での徴収に注意)
- 金利上昇リスク(変動金利の場合、将来の返済額増加を試算しているか)
- 売却時のコスト(仲介手数料・譲渡税など出口コストも含めて検討しているか)
「知らなかった」では済まされません。これらのコストは、購入後に突然降りかかってきます。業者資料のシミュレーションを信じる前に、必ずこのリストを手元に置いて確認する習慣をつけてください。
利回りの判断基準を親記事で総復習する
ここまでNOIと実質利回りの計算方法を解説してきましたが、「そもそも不動産投資の利回りはどう考えるべきか」という大局的な視点は、以下の親記事で体系的にまとめています。
個別の計算ができるようになったら、必ず全体像に立ち返ることをお勧めします。表面・実質・返済後CFの「3段階の利回り構造」を俯瞰で理解していると、業者との交渉でも圧倒的に有利になります。
「利回りの計算式を覚えることと、利回りの”本質”を理解することは別物です。私が13年かけて学んだ利回りの全体像——目安・判断基準・エリア別の考え方——を、以下の記事に集約しています。本記事と合わせて読むことで、あなたの投資判断の精度は格段に上がるはずです。」
【内部リンク挿入:ID該当「不動産投資 利回り 目安(まとめ記事②)」】
利回り・手残りに関するよくある質問

- Q表面利回りと実質利回りは、どのくらい乖離するものですか?
- A
物件の種類・エリア・築年数によって異なりますが、一般的に表面利回りから3〜5ポイント程度は低下すると考えておくべきです。
たとえば表面利回り10%の物件であれば、実質利回りは5〜7%程度になるケースが多いです。さらにローン返済を加味した返済後キャッシュフロー利回りは、そこからさらに圧縮されます。区分マンションの場合は特に注意が必要です。管理組合への修繕積立金・管理費が複数名目で徴収されることも多く、表面15%が実質5%台まで落ちるケースも珍しくありません。私自身が最初の物件で経験した現実です。
「表面利回りから3〜5%引いた数字が実態」と頭に入れておくだけで、業者の提案に対する見方がガラリと変わります。
- QNOI(営業純利益)は、どうやって計算すればいいですか?
- A
計算式はシンプルです。
NOI = 年間賃料収入 × (1 − 空室率) − 年間運営費用合計
ポイントは空室率を現実的に設定することです。業者資料では5%以下に設定されていることが多いですが、地方都市・築古物件では15〜20%を前提に計算することをお勧めします。
繁忙期(2〜3月)を逃した空室は、次の9〜10月のミニ繁忙期まで半年近く埋まらないリスクがあります。この現実を数字に反映させるだけで、NOIの計算精度は大きく向上します。
運営費用については、管理委託料・修繕積立・固定資産税・保険料・入退去コストを一つひとつ積み上げてください。「業者が計上していない費用を自分で足す」という作業が、NOI計算の本質です。
- Q実質利回り何%以上の物件を買えばいいですか?
- A
私の基準は、実質利回り(返済前)で7〜8%以上です。
この数字の根拠は「株式インデックス投資との比較」にあります。7〜8%を下回る水準は、手間もリスクも低い株式投資で実現できるリターンと同等かそれ以下になってきます。不動産投資特有の管理コスト・空室リスク・流動性の低さを負担してもなお株式を上回るリターンを得られなければ、不動産投資をやる合理的な理由がないからです。
ただし、この利回りはあくまでスタートラインです。「利回りが基準を超えているか」に加えて、「頭金をいくら入れることで返済後CFをプラスにできるか」を必ず試算してください。利回りと自己資金投入量の掛け合わせで最終判断を下すのが、実務家としての正しい姿勢です。
なお、表面利回りで7〜8%は論外です。NOIベース、または実質利回りベースで7〜8%以上——この点を絶対に混同しないでください。
まとめ|NOIをベースに利回りを再計算せよ

この記事で伝えたかったことを、最後にまとめます。
① 表面利回りは「最大値」であり、現実ではない
業者が提示する表面利回りは、空室も経費もゼロと仮定した、あり得ない理想値です。この数字を投資判断の軸にした瞬間、あなたのキャッシュフローは静かに蝕まれ始めます。
② 本当の収益力は「NOI」で測る
NOI(営業純利益)こそが、物件固有の稼ぐ力を示す最も本質的な指標です。空室率と運営費用を両方織り込んだNOIを計算することで、業者の数字に惑わされない、自分だけの投資判断軸を持てるようになります。
③ 最終判断は「返済後キャッシュフロー」のプラスで確認する
NOIからローン返済額を差し引いた返済後キャッシュフローがプラスであること——これが不動産投資における生存条件です。この条件を満たさない物件は、どんなに利回りが高く見えても手を出してはいけません。
④ 私の投資基準は「実質利回り7〜8%以上」
この数字は、13年・38部屋・2億円の負債を抱えながら生き抜いてきた経験から辿り着いた基準値です。株式投資との比較優位を保てる最低ラインとして、ぜひあなたの判断軸にも加えてください。
最後に、一つだけお伝えしたいことがあります。
私が最初の物件で表面利回り15%に飛びつき、実質5%台という現実に青ざめたあの経験は、「知識がなかった」という一言に尽きます。知っていれば防げた失敗でした。
この記事を最後まで読んでくださったあなたは、すでに「知っている側」に立っています。あとは、この知識を実際の物件判断に使うだけです。
📌 次のステップ|あなたが今すぐすべきこと
【アクション①】気になる物件のNOIを自分で計算してみる 業者から提案を受けている物件があれば、この記事のステップに従って今すぐNOIを計算してみてください。業者の数字との乖離が見えた瞬間、不動産投資の景色が変わります。
【アクション②】業者の提案を第三者の目でチェックする 自分の計算だけでは不安な方、あるいは業者との交渉で対等に渡り合いたい方は、セカンドオピニオンの活用を強くお勧めします。具体的な活用方法は以下の記事で解説しています。
「数字の計算はできた。でも、この物件を買っていいかどうかの最終判断に自信が持てない——そう感じているなら、あなたはすでに正しい感覚を持っています。その不安を放置したまま契約に進むのではなく、第三者の目を入れることで、その不安を”確信”か”撤退”かに変換してください。」
【内部リンク挿入:ID4「不動産投資 セカンドオピニオン——業者の買いを見抜く術」】
【アクション③】LINE登録で最新の投資情報を受け取る 物件の収支計算テンプレート・エリア別利回り目安・業者交渉の実践スクリプトなど、ブログには書けないリアルな情報をLINEで配信しています。登録は無料です。
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利回りの全体像——表面・実質・NOI・返済後CF、そしてエリア別の目安と判断基準——を体系的に理解したい方は、以下の親記事も合わせてご覧ください。本記事と合わせて読むことで、業者に対して圧倒的に有利な立場で物件交渉に臨めるようになります。
【内部リンク挿入:ID該当「不動産投資 利回り 目安(まとめ記事②)」】


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