日銀の利上げが続き、「アパートローンの金利、このままでいいのか」と気になっている人へ。先に正直なところから書きます。私は一度、借り換えを試して、シミュレーションの途中で止まりました。
この記事は、アパートローン・不動産投資ローンの借り換えを検討していて、自分が対象になるのか・どの銀行に当たるのか・メリットが出るのかを知りたい人のための記事です。私は鳥取在住・大家歴13年・38室を運営する現役サラリーマン大家。
先に結論:借り換えの可否は、気合いではなく5つの閾値でほぼ決まります。そして——借り換えがダメでも、金利を下げる道はもう一つあります。私はそちらで4.5%を3.1%にしました。両方の道を、この記事で整理します。
結論:借り換えの可否は「5つの閾値」でほぼ決まる
借り換えは「やりたいかどうか」ではなく「数字が条件を満たすか」で決まります。判断軸はこの5つです。
- LTV(残債÷物件評価額)が85%を超えていないか
- 残存耐用年数が10年を切っていないか
- 空室率が30%を超えていないか
- 信用情報に延滞・整理歴がないか
- 金利差が0.3%以上あり、諸費用を回収できるか
このうち2つ以上が「閾値超え」なら、借り換え交渉より先にやるべきことがあります。詳細と地図は本文で。

借り換えは”やる気”では決まりません。数字で決まります。閾値を2つ超えていたら、粘るより先にやることがあるということです。
【実録】私はシミュレーションで止まった。その間も金利は動いていた

正直に書きます。私は一度、モゲチェックで借り換えのシミュレーションを試し、その途中で止まりました。なぜ止まったのか、細かい経緯はもう覚えていません。条件が合わなかったのか、面倒になったのか、そこも曖昧です。
ただ、はっきり覚えていることが一つあります。止まっている間も、金利は動き続けていたのです。「止まった」という事実だけが残り、私の借入条件は何も変わらなかった。
だからこの記事には、あのとき私が持っていなかったもの——「借り換えを判断するための地図」を全部書きます。あなたが同じ場所で止まらないように。

止まっている間も金利は動きます。私が失ったのはお金ではなく、時間です。判断しないことも、立派に一つの判断なのです。
もう一つ、先に言っておきます。借り換えでは止まった私ですが、「今の銀行との金利交渉」では結果を出しています。スルガ銀行のフルローン金利4.5%を、2年間の返済実績を根拠に交渉して3.1%まで下げました。つまり——借り換えが難しくても、金利を下げる道は他にもある。その順番も含めて、最後に整理します。
アパートローンを借り換えるメリット(と、その限界)

借り換えとは、今より条件の良い金融機関でローンを組み直し、元のローンを一括返済することです。メリットは主に3つ。
- 物件の担保評価が残債を上回っている(オーバーローン状態では厳しい)
- 属性が一定水準を満たす(年収・勤続・信用情報)
- 残債と返済期間のバランスが取れている(残債が小さすぎるとコスト倒れ)
- 賃貸需要が続いている(空室率・立地)
借り換えが「難しい」5つの閾値(現実ライン)

閾値1:LTVが85%超
残債が物件評価額の85%以上になると、受け付ける銀行が急に絞られます。90%超・オーバーローン(残債>評価額)なら、借り換えより「繰上返済で残債を減らす」「売却して整理する」を優先すべき局面です。
閾値2:残存耐用年数が10年未満
木造築22年超・鉄骨築30年超・RC築45年超は「耐用年数超え」として返済期間を短く設定されます。すると「金利は下がったのに、月々の返済額は増えた」という本末転倒が起きます。金利だけでなく返済額で試算してください。
閾値3:空室率が30%超
稼働70%未満は審査で大きなマイナス。借り換え交渉以前に「売却か再生か」を検討すべきフェーズと判断されがちです。
閾値4:信用情報に問題がある
過去5〜7年に延滞・債務整理・代位弁済の記録があると、新規も借り換えも極めて困難。これは物件の状態と無関係に、属性側で独立して効く閾値です。CIC・JICC・全銀協に開示請求すれば自分で確認できます。
閾値5:金利差0.3%未満で諸費用が高い
金利差が0.3%未満だと、前述の諸費用を回収するのに10年以上かかることがあります。「借り換えできる」状況でも、数字上のメリットが出ないなら「現状維持」が合理的です。
閾値の地図
| 指標 | 問題なし | 要注意 | 閾値超え(厳しい) |
|---|---|---|---|
| LTV | 70%未満 | 70〜85% | 85%超 |
| 残存耐用年数 | 20年以上 | 10〜20年 | 10年未満 |
| 空室率 | 10%未満 | 10〜30% | 30%超 |
| 信用情報 | 問題なし | 軽微な遅延 | 延滞・整理歴あり |
| 金利差 | 0.5%以上 | 0.3〜0.5% | 0.3%未満 |
2つ以上が「閾値超え」なら、借り換えを追うより先に、根本的な状況改善(残債圧縮・空室対策・信用情報の整理)を優先すべき段階です。
借り換え先の銀行はどこを狙うか
投資用ローンの借り換えを受け付ける金融機関は限られます。狙い目は3カテゴリ。
- 都市銀行・メガバンク:審査は厳しいが金利は最低水準。属性・物件が強い人向け
- 地方銀行・信用金庫:物件所在エリアの金融機関は意外と柔軟。エリアが合うことが前提
- ノンバンク系(オリックス銀行・SBJ銀行など):属性より物件を重視する傾向。築古でも通るケースがある
1行だけで判断しないこと。複数行に並行してアプローチし、1行に断られても諦めない。ただし3行以上断られたら、それは物件side の問題を疑うサインです。
📌 自分が借り換えの「できる側」か、3分で確かめる
閾値の地図を眺めるより、数字を入れたほうが早いです。INVASE(インベース)は「モゲチェック」と同じ株式会社MFS(東証グロース上場)が運営する不動産投資ローン専用サービス。残債・金利・物件情報を入力すると、借り換え可能性と金利の目安が無料で分かります。
※診断・相談は無料。本リンクは広告(アフィリエイトリンク)です。
借り換えの手順(STEP1〜6)

- 信用情報の開示・確認(CIC・JICC・全銀協)
- 全棟の残高証明書の最新版
- 各物件の近隣相場・空室状況の把握
アパートローンの借り換えに関するQ&A

- Q借り換えでどれくらい金利は下がりますか?
- A
残債・残存期間・金利差で決まるので一概には言えません。目安として金利差0.5%以上あり、ペイバックが5年以内なら検討価値あり。0.3%未満だと諸費用を回収できず、実質メリットが出ないことが多いです。まず無料診断で自分の数字を出すのが確実です。
- Q借り換えと金利交渉、どちらを先にやるべき?
- A
私の実感では先に「今の銀行との金利交渉」を試す価値があります。諸費用ゼロで、断られても失うものがないからです。私はスルガ銀行で4.5%→3.1%を実現しました。交渉が動かないときに、借り換えを本格検討する——この順番が効率的です。
- Q複数棟持っています。まとめて借り換えるべき?
- A
いきなり全棟でやると混乱します(私がそうでした)。まず1棟に絞って試算するのがおすすめです。ただし共同担保が設定されている場合、1棟だけ動かすと他棟の担保設定に影響することがあるため、その点は必ず金融機関に確認してください。
- Q借り換えにはどれくらい時間がかかりますか?
- A
最初のアプローチから実行まで、早くて3ヶ月、長ければ半年以上かかることも珍しくありません。「考えている間」も変動金利は動き続けます。早めに情報収集を始めておくことをおすすめします。
当ブログのすべての記事は、「良い物件は存在しない。良い買値が存在するだけだ」という一本の式を土台にしています。この記事もその応用です。
借り換えが救えるのは、元々式が成立していた物件だけ
不動産投資の真実で書いた式で整理します。家賃+売値-経費>買値。借り換えは、この式の「経費」の項、つまり借入の利息を下げる技術です。買値そのものは、借り換えをどれだけ頑張っても一切変わりません。
ここを混同すると、危険な判断をしてしまいます。借り換えで返済負担を減らせば、赤字の物件が黒字に転じることはあります。ですが、それは「式が成立していなかった物件が、成立するようになった」のではなく、「元々ギリギリ成立していた式の、経費の項が少し軽くなった」というだけです。買値が相場から大きく外れていた物件は、借り換えで金利をいくら下げても、その差額は埋まりません。
借り換えを検討する前に、まず自問してください。この物件は、そもそも適正な買値で買えていたか。答えがイエスなら、借り換えは式をさらに強くする有効な一手です。答えに自信が持てないなら、借り換えの前に、買値そのものが式を満たしていたかを検算することをおすすめします。
まとめ:借り換えは「数字」で判断する
借り換えは感覚で決めるものではありません。次の5点を数字で把握し、閾値の地図に照らせば「粘るべきか、諦めるべきか」の答えはかなりクリアになります。
- LTVはいくらか
- 残存耐用年数は何年か
- 金利差は何%で、諸費用を何年で回収できるか
- 空室率・稼働率はどのくらいか
- 信用情報に問題はないか
そして、伝えたいのはこれです。「よくわからないまま止まる」のが一番もったいない。私はそれをやりました。止まっている間も金利は動き、状況は何も良くなりませんでした。
数字を出したうえでの「やめる」と「やる」は、どちらも正解です。正解でないのは、数字を出さずに止まることだけといえます。
📌 まず「現在地」だけでも確認しておく
借り換えるかどうかは、数字を見てから決めれば十分です。動かないと決めるにも、根拠が要ります。無料診断なら3分で現在地が分かります。
※診断・相談は無料。本リンクは広告(アフィリエイトリンク)です。
関連記事:
- 不動産投資ローンの金利相場を比較【2026年版】(今の金利が高いのか、相場と照らす)
- 不動産投資ローンの審査が厳しい銀行は?比較・ランキング(どの銀行に当たるか)
- 不動産投資の金利上昇シミュレーション|利上げ局面のストレステスト(金利が上がったら耐えられるか)
本記事は筆者の個人的な体験・調査をもとにした情報提供コンテンツです。特定の金融商品・サービスの利用を推奨するものではなく、投資判断・借り換えの実行は読者ご自身の責任において行ってください。金融機関の審査基準・条件は時期・個人状況により異なります。
元の記事に戻る
融資条件の詳細を踏まえて、銀行選びの基本に戻って確認しましょう。


コメント